暖冬
平年より暖かい冬のこと。
概ね12~2月の平均気温が平年より0.5~1℃程高ければ暖冬と言われるそうだが厳密な定義は無いらしい。
「あったかいねぇ。」
「だなぁ。」
暖かい陽射しの降り注ぐ部屋のカーテンを開け、床に寝転んでいるのは尊と夢乃。
二人並んで小春日和の陽を浴びている。
「今年も暖冬らしいな。」
「地球温暖化の影響が広まってるのをひしひしと感じるよ。」
尊は興味無さげに『だなぁ』と答えて大きな欠伸を一つ。
「眠たくなった?」
「んぁ……そうだなぁ……こうポカポカしてるとな。」
「暖かい陽射しを浴びながら昼寝……贅沢だよね。」
体を起こした夢乃がベッドの上から毛布を引き摺り下ろし、尊と自分に掛けて再び寝そべるが、シングルの毛布なのでくっつかざるを得ない。
「ち、近くね?」
「え?いいじゃん。ほら、タケの腕はこっち。」
さも当然といった素振りで尊の手を取りその腕を頭の下に敷く夢乃。
更に全身を毛布の中に入れようと夢乃が尊にぎゅっとしがみつくと、色々当たるものもあるわけで。
「ちょっ……ユ、ユメ……?」
「ちょうどいい高さの枕で毛布にくるまって昼寝……贅沢オブ贅沢だねぇ。」
(眠気がぶっ飛んじまったぜ……)
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