秋寒
「あきさむ」と読む。
秋半ばにある、本格的に寒いわけではないけど朝晩冷え込んできたなぁという頃を表す秋の季語。
そんな季節を迎えている中、夢乃が尊の部屋に来ていた。
「寒くなってきたね。」
「そりゃそんな格好していれば寒いだろ。」
見れば、夢乃は夏と変わらない薄手のTシャツにホットパンツという姿で、尊のベッドの上に大の字になって寝転がっている。
「いやぁ、ここ来る前に部屋の掃除してたから暑かったんだよ。」
確かに、夢乃が部屋に来た時は額やTシャツの首元にうっすらと汗を浮かべていたようにも見えていた。
「パーカーでも出そうか?」
「んにゃ、まだそれほどじゃないからいいよ。寧ろこの状態でタケの布団でゴロゴロしてるのが気持ちいい。」
読んでいた本に視線を戻した尊は、心臓の鼓動が少し早くなっていた。
心臓の昂りと一緒に顔が暑くなっていくのを感じた尊は、夢乃に背を向けていて良かったと思った。
「ん?タケ、首赤くなってるけど熱でもあるの?」
「ふぇっ!?そ、そんな事はないけど……」
すぐ背後に夢乃が顔を寄せたのを気配で感じ、更に首から上に熱が籠る。
(あんまり布団でゴロゴロするとユメの匂いが着いて寝られなくなるんだよな……)
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