快眠
文字通り、心地良くぐっすり眠ること。
夏ならば涼しい部屋で自然と目が覚めるまで眠れることだろうか。
大学から帰宅した尊は『少しだけ』とベッドに体を横たえて目を瞑っている間に眠りの世界に落ちていた。
それに気が付いたのは、妙に体の左側が熱く感じたから。
「んぅ……あっつ……」
肩口に纏わりつく黒い糸状のもの。
その肩は重量物が載っているせいか動かせない。
(「何……だ……?」)
薄目を開けて肩に圧し掛かる黒い塊を見る。
「ん……はぁ……」
その黒い塊が悩ましい声(?)を上げてもぞっと動く。
「え?ユ、ユメ……?」
いつの間にか寝ていて、いつの間にか夢乃が添い寝していると分かったのは、脇腹に押し付けられていた柔らかい物の正体に気付いたから。
「お、おぃ……ユメ……」
「んー……」
「な、何でユメが此処で寝てんだよ?」
「あと……5分……」
「そうじゃなくて……起きろよ。」
「だいじょぶ……」
噛み合わない会話を諦め、尊は起こそうとした体を再びベッドに沈める。
「暑いね……アイス食べたい……」
目を閉じたままの夢乃が呟く。
「だったら起きて取りに行けよ。」
「うぅ……今は眠気が勝ってる……」
(「眠気よ……永遠に勝ち続けてくれ……」)
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