宿題
仕事が片付かず家に業務を持ち帰って睡眠時間を削る。
何てブラックな……と思うかもしれないが、我々は小学生の頃からこの黒い風潮に強制的に馴染まされていたのかと今になって思う。
夢乃は尊の部屋にあるパソコンに向かって難しい顔をしていた。
「うぅ~……あぅ~……」
尊は床に座りベッドの縁にもたれて本を読んでいた。
夢乃がキーボードを叩くカタカタという音が鳴ったり止まったり。
「ねぇぇ、タケぇ……手伝ってよぉ……」
「断る。」
「えぇ~……可愛い幼馴染が頼んでるのに冷たいなぁ……」
「課題は自分でやらないと意味が無いだろ。」
「そんなの分かってるけどさぁ……この尋常じゃない量は無理だよぉ……」
「余裕かまして提出日前日まで手を付けなかったユメが悪いんだ。」
尊は本から目を離さないまま、夢乃はぶーぶー言いながらモニタとにらめっこしたままの時間が過ぎる。
「ふむ……ねぇタケ……ちょっとこれ見て。」
「んん?」
尊は読んでいた本を持ったまま立ち上がって夢乃が指差すモニタを覗き込んだ。
「んぐふっ!?」
モニタには胸の大きな水着姿のモデルが寝そべった画像が。
「私とどっちが大きいと思う?」
「課題しろ!」
(「後で履歴から保存だな……」)
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