誤解
『人を見た目で判断するな』とはよく言われるが、相手が初対面であれば見た目で半分以上は印象が決まってしまうのだから、結局は見た目である。
「ねぇタケぇ。」
「ん~?」
尊と夢乃はそれぞれ尊の部屋の定位置で読書及びスマホに耽っていた。
夢乃がスマホから目を離さずに声を掛ける。
「私たちって付き合ってるように見えるのかなぁ?」
「へっ?な、何で?」
突然の質問におかしな声を出してしまう尊。
「昨日大学で訊かれたんだよね。『いつも一緒に居る人は彼氏?』って。」
「ほ、ほぅ……そ、それで?」
「タケの事言ってるんだって分かったんで『彼氏じゃないよ。』って答えたのね。」
「う、うん……」
「『彼氏じゃないのにいつも一緒に居るの?』って訊かれたから、『小さい頃からずっと一緒に居る幼馴染だよ。』って答えたの。」
「ま、まぁそうだよな……」
「そしたらかなり驚いてたから私たちって付き合ってるように見えるのかなと思って。」
「お……おぉ……」
尊は夢乃と付き合っているように見られる事が嬉しいような、夢乃に何となく否定されたようで悲しいような、複雑な心境で手に持った本に目線を落とした。
(「長く一緒に居るから切り替えが難しいなぁ……」)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます