昼寝
春の陽射し麗らかな昼下がり。
ちょっと体を横にしてそのまま寝落ちする気持ち良さは至高。
「ん……」
右側に体を向けてウトウトしていた尊が軽い圧迫感を感じて薄く目を開く。
「すぅ……すぅ……」
規則的な呼吸音と小さく上下(?)する目の前の渓谷。
尊の頭の上には夢乃の右腕、脚には夢乃の右脚が乗っていた。
「おぃ……ユメ……」
「ん……」
尊の声には反応するが、夢乃は目を閉じたまま寝息を吐き続けている。
「また勝手に部屋に入って来て寝てんのかよ……おぃユメ……起きろよ……」
「んん……」
喉の奥だけで返事をする夢乃は、尊の頭に置いた腕を自分の方へ引き寄せる。
尊の顔が夢乃の胸に押し付けられ、顔全体が柔らかい膨らみに包まれる。
(「むごっ!?やややヤバすぎる!耐えろ理性っ!」)
目覚めから覚醒までの時間が短すぎて尊の脳内の処理が追い付かなくなっていた。
(「俺は悪く無い……俺は悪く無い……俺は悪く無い……」)
尊はぎゅっと目を閉じて念仏のように唱えはしたが、そこから顔を離そうという努力は出来なかった……と言うよりしたくなかった。
寝ている夢乃が頭を抱えている程度の力、なんて事は無いのに。
(「このまま……もう暫くこのまま……」)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます