帰宅

 『何を』言ったか/したかではなく、『誰が』言ったか/したかでそれが『コミュニケーション』なのか『ハラスメント』なのかに分かれる。

 結局は世の中相手次第。


「ほらユメ、家着いたぞ。」


 夢乃をおぶって夢乃の家に辿り着いた尊は背中に貼り付いている夢乃に到着を伝えた。

 家の電気は点いておらず、恐らく夢乃の両親はもう寝てるのだろう。

 半分強制的に持たされていた夢乃の家の鍵で玄関を開け、夢乃の部屋へと運び込んでベッドの上に下ろす。


(「至高の時よさらば……」)


「んぅぅ……」


 夢乃が唸りながらベッドの上でごろんと仰向けになる。


「大丈夫か?」


「うぅ……喉渇いた……」


「水持って来てやるからな。」


 尊は静かに階下へ降り、キッチンでコップに水を入れて夢乃の部屋に戻った。


「ユメ、水持ってk……んぶふっ!?」


 尊は危うく水を溢しそうになった。

 部屋に入ると夢乃が上着を脱ぎ捨ててブラ一枚という姿になっていたから。


「んん?何か……暑い……」


 夢乃は両手を背中に回す。


『ぷちっ』


「わぁぁぁっ!タンマタンマ!」


「うーるーさーいーなー……」


 尊に構わず夢乃はブラを外す。

 尊は慌てて背中を向け、更に目を瞑った。




(「見たいけど……見たいけどっ!」)

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