酩酊

 年度替わりは出会いと別れの時期。

 新たな出会いを祝し、美味い物を食い、美味い酒を呑む。

 いや、呑む為の口実が歓迎会だったりするのかもしれない。


「ん……」


「ん?大丈夫か?」


「ふぇ?タケぇ?あたひ寝てたぁ?」


「随分呑んでたからな。」


 尊と夢乃は大学の新入生歓迎会で飲み食いした。

 あまり呑めない癖に割とハイペースで呑んでいて早々に潰れた夢乃を尊がおぶって帰るところだ。


「んぉ?なんれタケにおんぶされてるんら?」


「ユメが調子に乗って呑んで潰れたから連れて帰ってんだよ。」


「そんらに呑んらからぁ?」


「舌回らないくらい呑んでるじゃん。」


「あ~……ほんろら……ひゃひゃひゃっ……」


 夢乃は楽し気に笑いつつ尊の首にしがみつく腕に力を加える。


「ちょっ……苦しいって。」


 力を加える事によって、夢乃の顔が尊のうなじに押し付けられる格好になる。


(「うぉぉ!首にユメの唇がっ!」)


 勿論、しっかり成長した二つの膨らみも尊の背中に押し付けられている。


(「ぐぅぅ!首もだけど背中もヤバいっ!」)


 尊は首と背中に押し付けられる至福の感触を堪能しながら、必死に理性を働かせて夢乃を家に送り届ける事に集中した。




(「神様ありがとうございます!」)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る