第19話 離婚?まだ結婚一週間、、、
――――バタン
あ。どうしよう。カルミアが俺を見るやいなや、有り得ないほどの嫌悪感を抱えた顔でドアを閉じた。
「ごめんなさい。そんなつもりは」
状況を理解してようやく俺の上から降りたイリスが、心底申し訳無さそうに謝る。
別にわざとじゃ無いだろうし、最悪俺がスキルで無理矢理降ろしていれば良かったものだ。
「まぁ大丈夫です。俺も悪いとこ有りましたから」
そんなことよりどうしよう。祖父譲りの早とちりで勘違いしているであろうカルミアに弁明しないと。
何をしようか悩んでいる暇なんて無い。先ずは直接会って話をしよう。
隣の部屋に行って一番にカルミアに頭を下げる。
「ごめん。誤解を解かせて欲しいんだけどいいかな」
「貴方がそんな人だとは思いませんでした。まぁ仕方無いですよね」
何で?…そういうことかぁ。間違えた。これは確実に誤解を深めた。痴漢冤罪で謝っちゃいけないってやつだ。謝罪から入ったせいで、まるでやましいことが有った感じになってしまった。その上箱入り娘特有の偏見も加わって完全に俺が悪になってる。
これ以上粘ってもしつこいと思われて聞き入れて貰え無さそう。取り敢えず勘違いだということを言って自室に戻る。ともかく、俺は悪い事はしていない。これ以上勘違いが深まるのも嫌だし、時間を置いてみよう。
と思ったものの、一つ気になる事があると他に集中出来なくなる。以前もあったなこんな事。
直ぐにでもこのもやもやを解消したい所だが、こういうときは冷静で居ないと。早とちりしちゃいけない。彼女との関係を壊したくないからこそ迂闊に出られない。どうすれば…。
「………ねぇパパ?パパ!」
!?エクロンか、いつの間に。
「やっと気付いた。どうしたの?椅子に座ってじっとして。おなかいたい?」
「ううん、大丈夫だよ。ありがとう」
「そう?だったらこっち来て。一緒に寝るの。ママと三人で」
「ぇ?、、!う〜ん」
「皆で寝るのいや?」
別に嫌じゃないんだがなぁ、、、
「やっぱりけんかしてる?今日ママ怒ってた」
勘が鋭くて困る。やっぱり子は親をしっかり見ているんだろうな。
「うん。俺がちょっとミスしてね、それに勘違いも合わさって怒らせちゃった。」
「?、、、ママはちゃんと話がしたいって怒ってたよ?」
ここも俺の選択ミスか。気の遣える人でいるつもりだったけど、まだまだ甘いな。こうやって勘繰るよりも、素直に居たほうがいくらか良いのかもな。
「分かった。ママの部屋行こうか」
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