第17話 かくしかた。
「これからは家族になるんだし、敬語は無しにしよう」
「わかった!」
「いい返事」
こういうリアクションとかからは子供らしい一面も見れて可愛いな。
素直に従ってくれるし。
未だに敬語で話してる誰かさんと違って。それもそれで良いんだけど。
「あのさ、一つ聞きたいんだけど、その輪とか翼って隠せる?」
「うーん、やったことない。たぶん無理だと思う」
「そうか、きっと皆にびっくりされるから皆の前では隠しておこうね」
「もしかして魔法使うの?!」
何処かで見たような輝いた目で俺を見てくる。類は友を呼ぶという事なのだろうか。ともかく、こんなに喜んでくれると教えるこっちも楽しくなって良い。
物を隠すだとかに使える魔法として光魔法の一つで、反射を操るものがある。光が反射して物が視認できる訳だから、入射光を上手く屈折させて見えなくさせるという魔法だ。大体の仕組みはこんなもんだが、どこまで行っても魔法だから現実味を求めてもそれまでだ。
難易度はそこまで高くないし、エクロンは天使だからか相当な量の魔力があるから出先で輪と翼を隠すくらいなら容易いはずだ。
「今まで魔法は使ったことある?」
「魔力を生命力にかえてあたえる?みたいな魔法は天使なら皆習うよ。困っている人間に使うんだって」
魔力を生命力に変換?そんなもの聞いたこともないし、そう簡単にできるものじゃない。確実に天童魔法の一種だ。流石は天使。でもその様じゃ反射魔法の習得はあっという間だろうな。
「良い?これから教える魔法は、光を曲げる魔法。イメージは隠したいものを包む感じ。魔法陣は一回書いて魔法を発動すれば、もうスキルとして習得されるだろうから、一緒に書こう」
「いいね、陣書くの上手だね。じゃあまずはこのペンを透明にしよう。意識をペンとその周りに集中させて」
「こんなかんじかな。後はさっきパパが言ってた呪文を詠唱すればいいんだよね、、、
διάθλαση!」
「お!凄い!消えた。というか机ごと消えてるな。こりゃ凄い」
「、、、ごめんなさい」
「あ、いや全然良いんだよ、むしろ凄いよ!大きいもの消すのは大変なんだ。それを普通に出来ちゃってるんだからきっと光魔法の才能があるんだね。もう一回やってみる?」
「うん」
「次はもうちょっと優しく包むイメージでやってみて」
「διάθλαση」
「お!いいね!完全に消えてるよ」
「おぉ〜!すごい!ペン無くなった!」
「魔力の感じはどう?どのくらいの間使えるとか分かる?」
「全然使ってる感じしないよ。多分一日中使っても大丈夫」
よし。
これで天使だとバレる心配は要らないな。
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