第3話 リスタート

痛い、、、苦しい、、何だこれ、、、


起きているのか、寝ているのか分からない。先程感じた大きな揺れは地震?

その揺れの後に全身が地面に突き落とされたような感覚になった。


このまま死ぬのか?まだ彼女もできてないし、まだまだやりたいことは沢山あるのに。


あぁ、どうせならあの異世界での二年間を楽しんでおけば良かったな、、、、。



「起きて…ぉーい、おきてー!」

少女の声がする

「…だ、誰?」

段々と意識がはっきりしてくる。

はっきりして来る意識とは逆に視界は暗いまま。 真っ暗な空間の中に一つ、星のような光がまたたきながら光っている。


「良かった~!ほんとにころしたかと思った!」

喋っているのは、光?


「貴女は?」

「私は魔王、起き抜けで悪いけど私貴方のこと身代わりにして殺しちゃった☆」

魔王?魔王ってあの俺が倒したはずの?でも奴はくそでかいイノシシみたいな見た目だったし、こんな少女のような声じゃなかった。


しかも俺を殺した?もう何が何だかわからん。


「俺を殺したってどういう事?」


「話せば長くなるんだけど、頑張ってまとめて話すね。」

そうして彼女のなが〜い話を聞いた。


要約するとこうだった。

彼女が魔物と戦ったが予想以上に強かった→死にかける→スキルでダメージを俺に転移→死んだ俺の死体を転生魔法で即座に転生させる。


こういう手順で今に至ったらしい。

俺を選んで転生させたのは一度異世界に転生したことがあるから。


「そういうわけだから、あなたをこっちの世界に送るわ。経験があるから生きていけるでしょ。くれぐれも私を殺そうだなんて思わないでね!」


そうして目の前の光は消えてしまった。

今度こそ現実の世界では死んでしまったらしい。最期に異世界を楽しみたかったとは言ったが、まさか本当になるとはね。


釈然しゃくぜんとしないが、もうどうしようもない。気持ちが切り替えられるかどうかは、 これからわかるだろう。


あぁ…眠くなってきた……次は「 使命」みたいなものは無いと良いな。








暖かい風が肌を撫でている。心地良くてずっとこのまま寝ていたくなる。これが異世界の空気か。あの頃は感じる間もなかったな。今日から第二(第三?)の人生が始まる。


ここは草原だろうか。俺の姿は、!?

三年前のままだ。

まさかスキルも?


おぉ、そのままだ。姿もスキルも。


どうしたものか。もう「救世主」だとか「勇者様」だなんて言われて、自由に生活できなくなるほど優遇ゆうぐうされる生活はこりごりだ。


今は三年前のことは隠しておこう。










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