後編〜ザマァってなんなの?そんなテクニカルな事象起きないんだけど?

 白座と千代ちゃんが同時にこちらを向いた。

 千代ちゃんが俺の目の前に来て何か意味不明な事を激しく捲し立てる。

 

「ザマァしちゃ駄目よ!岡田君!彼女にも言い分がある筈なの!チャンスをあたえなさいよっ!」


「千代、ちょっとコッチ来い」


「え?あ、はい…」


 白座に止められ連れられる千代ちゃん…何すんだよ、白座テメー…美少女千代ちゃんの唾ガンガン照射されてちょっと嬉しかったのにこの野郎…

 するとドヤ顔でケンタが説明し始めた。


「ザマァってのは要は復讐よ、例えばその彼女のより可愛い娘と付き合ったり、寝取った男を不幸にしたりとかするんだよ。大体周りの奴とか別の幼馴染が騒いでな。それでスカッとするみたいな?」


 ほーん、なるほど。じゃあアレか。


「つまりケンタがこれからダイコクさんみたいな人をボコボコにするって事か?それか白座が四天王の一人を紹介する…と。そういう訳だな?」


「は?何で?岡田すら良くわかって無い奴を、なんの関係もない俺がいきなり襲いかかるんだよ、それじゃ頭のおかしい人じゃねーか」


 何、馬鹿のクセに急に普通の事言うんだ?良いからゴンサクさんみたいな人に襲いかかれよ…

 すると白座が帰って来た…


「おい、白座…四天王紹介しろ。ザマァする。」


「いや、そもそもデケェ女…レオとかいうのは知らんし…千代はともかく残りの2人は…まぁ聞いてみろよ…クラスメイトなんだし。鬼島ー!獅子川ー!」


 鬼島が来た…白座が簡潔に説明する…

『何か、誰かにザマァっていう復讐するから岡田が付き合ってくれだって』

 という他人事簡潔かつ雑な説明を…


「ハァ?無理に決まってっし、アホか」

 …でしょうね。


 そして獅子川が来た…獅子川は地下アイドルだかなんだかで可愛いけどあんまりゴスロリというかキャラがあざと過ぎて好みでは…


「ハァ?何で岡田?白座君、ボクに岡クソと戯れろって?それボクに対する侮辱罪で岡田を晒し案件。何故、永井と双璧でバカと言われている岡田と?フリでも普通に嫌なんだけど?」


 永井と双璧とは初めて聞いたし、そんなに話したこと無いのに呼び捨てだし言い過ぎだろう。いや、獅子川さん、性格キツいのは知ってたけど…


「しゃーねえ…千代…じゃなかった…定満さーん!」


 千代ちゃんがまた能面みたいな顔で来た…白座とゴソゴソ話す…千代ちゃんの顔がみるみる青くなっていく…すると…いきなりコッチ向いたと思ったら殺意剥き出しで『殺すッ』って言いながら水筒で千代ちゃんが殴りかかってきた!?

 即座に白座が止めて、そのまま2人でどっか行った…何なんだよアイツラ…


「とりあえずケンタ、ダイヤさんみたいなの襲ってこ…」

「しないって、そんな頭のおかしい人みたいな事。何で俺が捕まらなきゃいけないんだよ」


 チィッ!クソが!普段からエロゲエロゲって頭おかしいんだからよ!暴力と性欲なら捕まってもどっこいだろがよ…結局、学校では駄目だ。

 こうなったら俺の地元で個人的に友達や知り合いは…いないな…

 幼馴染はミサ1人…アレ?…終わった?あるぇ?


 帰り道…校門を通りながら俺は思った。

「あれぇー?俺、何もねーじゃん?ザマァは?まぁ良いか…」


 とりあえず家帰ってから考えっかーと軽く考えていると…白座と千代ちゃんが校門横の影でスゲーイチャついてやがった…カァァァァォッッ!!!


『マゴ君が悪いんですよ!このワル!また私を誰かに渡そうとした!許せない!証明して下さい!早く穴という穴をアナあなANAは全◎空!レロレロ『千代!落ち着け!』


 あの千代ちゃんがもっと…と、せがむように口吸いを…

 長所は?と聞かれて間違い無く『優しい』と自己申告するほどの優しさを持つ俺が、ブチ切れちまったぜ…白座ァァ!


 と心の中で叫び、俺はザマァを決意した、白座に。

 白座に?…なんか意味が違う様な気がするけど。


 とりあえず白座はコスプレイヤーが好き→童貞→レイヤーと俺が先にやる→圧倒的勝利…だな!完璧だ。

 考えろ…考えるんだ…よし!コレだ!

 俺は片っ端からメルアド、もしくはメールフォームのあるレイヤーにメールした、間違いメールを…


『オレオレ!岡田!千代ちゃんのグラビア撮影上手く言ってる?今度、鬼島がクラブでパーティーやるみたいだからさ、また今度来てよ』


 という、ナンカ凄い奴感BinBinのメールを、横の繋がりが無さそうなレイヤーに片っ端から送る…何だったらレイヤーじゃなくて良いや…もうオタク趣味のやつなら何でもいいや。

 まぁ普通の人間になら絶対やっちゃ駄目だな。

 

 返信が来た『誰ですか?』だって…その返事が来た時点で…釣りと同じ事よ!

 後は間違えたフリ→食い下がり特徴を聞き→友達になろう→高校生です(ココ重要)→では遊びましょう…以上だ。

 分かったのは年上で顔面はパワータイプで良い、リスカ跡OK、目の下に隈や体型ガタガタがベスト…要はメンヘラだ、リアルタイプのな!

 客観的に見ればクソみたいな事だが、白座をころ…ザマァする為に繰返し行う、そしてレイヤーと会うことになった。


 その妖怪は1.5リットルコーラを飲んでいた、待ち合わせ場所で、ラッパ飲みで…

 ネットだと並でもリアルだと凄い。

 体型はキ○肉マン、顔はゴブリン、まさにゴブリンスレイヤー依頼案件だ。

 

 デートとかすっ飛ばそう。この妖怪と真面目に付き合う気は一ミリもない。

 そう、俺はセ◎レ狙いである。

 何故なら俺はゴブリンに家族は殺されていない、よって家族を殺された人が、この人の交際の依頼を受けるべきだからだ。


 そう思えば、思ってもいない褒め言葉や歯の浮くようなゼリフがポンポン出てくるんだな。

 さぁてどうしようかなと顔を見ないようにしてたら腕を組まれており、繁華街を油断して歩いていたら壊れた格ゲーの投げ技の様に、ラブホに吸い込まれた。


 一瞬だった…しかし真っ暗だから顔が見えない…姿も…ただ…俺は初めてをした…それで十分…


『ねぇヒバナ?私達付き合っているんだよね』


 俺は謎の偽名を使っていつでも逃げられるようにしていたし、ゴブリンの言葉はよくわからないな。

 そして正直に言う、嫌われる為に…


『そんな訳無いじゃん(笑)付き合うって言ってないでしょ?遊びだよ遊び、今流行ってんのさ!』


 今考えれば馬鹿だよな…この時は初心者だからな、もっと上手くやればいいのにな…キン肉マンと同じガタイの人間に俺が勝てる訳ないでしょ?


 俺は首をキュッとやられたと思ったら意識を失った…気付けばマンションの一室にいた…そう、これが俺の一芸の始まりだった…


 つまり、形が面白いメンヘラレイヤーに調子にのったら誘拐されたと…ゴブリン肉マンに、「親に暫く友達の所に泊まると言え」と言われ、従う俺。

 ただ、妙に落ち着いていた。優しさの無い同棲されていると言っても飯作ってやりゃアレが出来る。

 確かにパワータイプのゴブリンだがまぁ良かろ。


 とりあえず白座が羨ましいと思う事は何か?をひたすら考えた。美女では味わえない何か…

 そうだ…素人コスプレイヤーチョメリンコだ…俺は早速コスプレを依頼した。


 『俺こういうの好きなんだ!レイヤー大好きなんだ!(そういう行為のみが)』


 実際はキャラも分からんし、そもそもこの女の名前は?のレベルで脳が死んだ状態で生きてたら気付いたら夏休みに入ってたし、イベントが忙しからと夏の後半頃には放逐された。


 意味わかんね…そして学校が始まった時、ファーストコンタクトで白座にマウントを取りまくった。

 ケンタの馬鹿はどーでも良い、白座に童貞マウントを取りまくった。


『白座、アワビ見ておっきっきしちゃったの?メンゴ、挿れたことないから分かんないよな(笑)』


 後から考えれば俺、レベル低すぎ!?だが、これが俺のザマァだ、多分、これがザマァだ。

 何故なら日を増すごとに白座の顔が曇り、イライラしてたからな…ザマァ…噂通り気持ち良いぜ…


 そんな白座、俺に嫉妬してか当日バイクでコケて血塗れで童貞を捨てたらしい。全く、嫉妬に狂った男の末路は見苦しいぜ…


 そして俺は対メンヘラレイヤーの扱いが上手くなっていった…最早コレは…一芸だな。

 優しさの無い同棲は怖くない。同棲だと思えば何のことはない…そしてメンヘラはすぐ飽きる、俺じゃなくて相手がな…そして浮気して岡田君、面白くないと言って離れる…ちょっと心がエグられた気がしたがどうでも良い。

 離れた時、年上の名前も覚えてないレイヤーだしな(笑)


 そんな事を続けてたある日、偶然…いや、家の前で待っていたミサがいた。…ミサはメンヘラレイヤーより2倍ぐらい可愛かった。

 

『岡田…お前さ、レイヤー界隈で滅茶苦茶してるらしいじゃん…私のせいかな…?それだったらなんかゴメン…』


 何だコイツ、酔ってんのか?家が近所だし、匿名で無茶苦茶出来無いからなぁ…ミサ自身が言ってたしな…まぁ言いたいことも分かる。


『なぁ…岡田…いや…裕二…もし私のせいなら責任取るから…ちゃんと私とさ…』


『いや、お前は(優しさの無い同棲しなくて)いいよ、お前は違うから(近所で評判になるから)、んじゃ』


 成長した俺はクールに去るぜ…なんか間違えている気がするし、ミサが『ホントにゴメンね』とか言いながら泣いてた。

 意味がわからないな。


 そして進級の時、担任に、一年で何か一芸は出来たか?何故学校にろくに来ないのか?と聞かれたので『一芸が強制同棲される事だからです』と答えたら進級した。何だよこの学校…


 そして同じ事をいつものように繰り返したら高2の夏前にはレイヤー界隈で【レイヤーチョメリンコ数珠繫ぎ】という謎のあだ名がついた。長い。


 ある日久しぶりに学校に行くと通学路でケンタと会った。なんかソワソワしている…とうとう二次元と三次元が分かんなくなったのかな?

 

『これから孫一が千代ちゃんと伝説を起こすから一緒に見ようぜ!』


 知能が伝説どころかポンコツじゃねぇか…んん?

 遠くからバイクで敷地内に突っ込んで来るのは白座か?そして噴水前で後ろに乗っていた千代ちゃんにチョメった。

  何やってんのアイツ?停学…つーか退学になるぞ?


 更に千代ちゃんが拡声器を持ってなんか叫んでる。アヘ顔で呂律回って無いから、何言ってるか分からなかったが、ぼんやり聞こえた。


『青春は一度きり!だからミンナ!恋をしよう♥』


 恋?あぁ…恋か…そういえばそうだな…入学の時に言ったわ…


『彼女がいます!ミサって言います!俺は彼女と幼馴染で、俺は…3年間彼女を大事にして卒業したら結婚します!2人で肩寄せ合って小さな幸せを大事にします』


 あぁ…言ったなぁミサ…この間、泣いてたな…団子さんと喧嘩したんか…まぁ良いか…


 俺は歳誤魔化し用の禁煙グッズで水蒸気だけ出るだけのタバコを咥えた。

 


 …直後に教師に見つかり、速攻で職員室に連れてかれた。何で教師がこんなにワサワサ…よく見たら白座も千代ちゃんも連れて行かれてた。


 指導室で千代ちゃんが張り付いた白座と並ばされる。2人でヘラヘラしていた。

 俺は…白座に聞くことがあった…一つの疑問…


「なぁ白座…俺はお前に…ザマァ出来たかな?」


「ハァ!?何で俺にすんだよ!?NTRした奴にしろよ!」


「え?そうなの?」


「お前…ザマァって…あぁ…はいはい。去年のチェリーマウントとか、お前が素人レイヤーチョメリンコシリーズのナンバー8に出演してた事か…確かにイライラしたし、びっくりしたけど俺に向かってザマァするなよ…」


 はぁ?何それ?…俺は白座から聞かされた。


 俺は初物捨てて白座をイライラさせた。そして…


 ミサを失った、変なアダ名がつきレイヤー界隈でクズで有名になった、知らない間に例の動画に出演していた。


 俺の…俺達のザマァは…間違えていたのか…


 マジ…ツレェわ…



― ― ― ― ― ― ― ― ―



『岡田君、もう良い、喋るな!馬鹿になりそう…頭おかしくなる…あぁ嫌だ嫌だ。』


 俺、千代ちゃんに小説の参考にしたい言うから話してるのにこの態度。

 知りたいのは人間のクズの心理…らしい。


「ここからミサが出て盛り上が「いや、クソ野郎、もう良い」


「…じゃあさ、もし続編希望があったら続き書いてよ」

 

「いや、絶対ないから!」


 千代ちゃんが白座と目の前でチューしてる。

 ウ~ン、俺がザマァされてんのか?分かんね…


 未完

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