素人コスプレイヤーチョメリンコ・岡田のツレェ話

クマとシオマネキ

前編…俺のNTRを前後編短編で収めるのか?酷くないか?マジツレェわ

 犬山学園、入学は適当に理由つければ入れる私立高校だ…理由、それは一芸だ。

 凄い馬鹿とスゲェ天才が混在し、凄い一芸ある奴もいる。

 ちなみに進級する場合は中程度の成績、もしくはスポーツ、最悪…教師を納得させる一芸を身に着けなければならない。


 俺は岡田裕二、その犬山学園に通っている。

 俺になにかあるかって?勉強は下の上、運動は凡人。一芸?中学生にあるわけねーだろ。


 でもな、俺はこの学校で生まれ変わり…誰もが羨む一芸を作り卒業する。無論…彼女いるってだけで進級出来るようだ。

 要は何でも良いから、なんかすりゃ進級・卒業出来るってこった。ちなみに入学は…


 この学校に入る前、中学3年の時に半端なギャル風だが特にパッとする訳でもなく、外見もまぁまぁまぁな、幼馴染の吉田美沙子…ミサに告白した。

 昔馴染みで安心出来るし、付き合いが長すぎて外見とか見慣れすぎて良く分からない。

 しかし、進学する高校が違うため今しかチャンスは無いと踏んだ。


『ミサ…昔から…好きだったんだ…付き合ってほしい!お試しでも良いから!学校違うからこれが最後のチャンスなんだ…』


「そっか…岡田、私の事好きだったんだ…そっか…うん、良いよ。私も岡田の事、良いなって思ってたんだ!」


 自称サバサバ系なミサはサバサバしているというよりかは女子感のある話に流されやすい。

 それに家が近所なんだから最後のチャンスも何も無いのだが、俺のゴリゴリの告白を受けてくれた。


 だが、しかし…あぁ…完璧だ。

 俺は完璧な作戦に…ルートにのっていた…ミサを大事にしよう、そして華の学園生活の始まり…の筈だったんだ…この時はそう思ったんだ…

 俺は受験の面接で一芸について言ってやったんだ。


『彼女がいます!ミサって言います!俺は彼女と幼馴染で…』



 高校一年の始め、2人の男と友達になった。

 一人はケンタ、コイツは小学校の同級生で好きな奴がいるらしいが、まだ恋愛関係に無く、付き合って欲しいと告白したところ、はぐらかされるらしい、哀れ(笑)

 ちなみにメチャクチャガタイが良く、街のデカい暴走族の偉い人だったようだが、その話をしてマウント取られてパシリ生活とかマジで嫌だったから『へぇ~っ』とだけ言ってスルーした。

 まぁその後、元から声がデカく目立つ体格なのに、エロゲーにハマりすぎて人間としておかしな事になったがどうでも良い。

 

 もう一人が白座、コイツはヤバい。

 ボサッとヒョロっとしたキツネ顔、頭はバカの癖、学年の四天王と言われる美女共が全員惚れているらしい…というのは影の噂(ケンタ情報)

 ただ、その中の1人の定満千代とかいう、容姿端麗頭脳明晰運動抜群という、メス界きっての化物がいるのだが、間違い無く白座に惚れている。白座サイドに立てば即効分かる。

 ずーっと白座を見ているからだ。

 しかもコイツ、入試とか顔パスだったらしい…良いよなぁコネと権力…この、ハーレムクソ野郎。

 そして本人は『俺はそんなんじゃねぇよ』と余裕の態度…ムカつく…ムカつくうぅっ!

 ただ、コイツも権力はともかく、隣町の世紀末の様な荒れ果てた中学校出身だ(ケンタ情報)

 まぁこの二人は仲良くしておいて損はないぜ。


 そんな感じで一学期…俺はこの二人といて問題が発生した。格差だ。許すまじ格差。

 夏休み前か…俺はミサとデートしたりイチャコラしていた。学校が違うから地元に帰ってから待ち合わせして、地元デートばかりだが楽しかった。

 中学時代もミサとは遊んでいたから、その延長みたいな感じだけども。

 無論、大人の階段も登ろうとしたがミサが『もうちょっと待って』と待ったをかける。


 ミサは女子校に行ったから安心していたが、何やらクラスメイトに活発タイプのオタクがいるらしく、中学の時からコスプレイヤーとしてイベントに出ていたとか女に、色々教えて貰って今度イベントに出るんだと…それが忙しいらしい。


 良いよ、良いんだよ、別に。友達や趣味、大切な事だよね。

 ただね、白座が蠢いているんだ。あの野郎…

 客観的に見て、ミサより10倍ギャルだけどミサより10倍は可愛くてイケてる美女四天王の1人、ギャルの鬼島と付き合った。

 このクソキツネ顔、まさかの本命『定満千代』を外し、ビッチギャルをハンマープライスするとは…恐ろしいな…頭のおかしい権力者は…


 そして、白座が付き合ったせいで分かりやすく千代ちゃん(定満千代)は壊れた。


 しかし何だコイツ、千代ちゃんは清楚系だが…お前、ギャル好きだったのか?と聞こうと思ったら、数日後にまさかの即別れ。


 そしていきなり、鬼島より3倍程性能が良い、つまりミサより30倍程性能が高い千代ちゃんと付き合った。赤い奴どころじゃない。

 ただ、二人が付き合っている事は、とりあえず内密とか訳分からない展開に。


 理由は格差問題らしい…しかし俺はこの2人を一ミリも心配しちゃいねーし、正直どうでも良い…

 何が格差だよ、千代ちゃんが騒げばどうせ愚民は黙殺…それでも白座の評判は、元ドヤンキーでクソゲーばかりやってそれを大声で喧伝するケンタのせいで最悪のまま。だから釣り合わない?とか思ってんのか?だから何だってんだよ。

 まぁそんなのどうでも良いんだよ…噂によると既に半同棲なんだろ?絶対やるじゃん夏休みに…


 と、友達ならよ…友達なら…人間卒業と彼女の可愛さ両方で勝っちゃうとか友達の風上に置けない、白座…貴様…夏休みにキメるつもりか?だからか?アメとムチを使ってよ、千代ちゃんに言わせる気か?言わせる事によって全プレイ開放モードにするつもりか?


『マゴくうぅん♥何でもするからフらないでぇぇ!!』


 うおおお!あの外道が!俺は世界の一般人の愛のためにミサとヤる!アイツより先にな!


 俺は夏休みに入る前にケリをつける事にした。

 白座孫一を殺す、間違えた…ミサを旅行に誘い、お出かけ先のホテルでやるのだ!やるのだよ!


 自宅でやろうとするから駄目なんだ。

 やるからには旅行…そして…グフ♥




 そんな計画を考えていると白座がケンタと不可思議な会話をしていた。


「この間さ、ネットしてたら素人コスプレイヤーチョメリンコっていう動画の見つけてさ、スゲェ良かったよ、特撮物も良いけどリアルも良いな」


「マジか?相変わらずぶっとんでんな、俺は実写はアサ(ケンタが惚れてる女)だけで十分、基本は二次元派だな…ストーリーが無いと…そこからのアブノーマルが堪らんのだよ」 


 ケンタは相変わらず馬鹿丸出しの性癖だが、白座はなんつった?コスプレイヤー?スゲェ良かった?

 ははぁん、俺の彼女への嫉妬…ふふーんほーん?


「おい、白座聞いて驚くなよ?」


「何だよ岡田、急に…最近何かゴソコソやってるけど悪い事は程々にな?って言って聞いたやついねぇけど」


 箱入り娘をアメとムチで奴隷にしようとしているお前に言われたくねぇよ。


「俺の彼女、素人コスプレイヤーなんだぜ!スゲェだろ!?」


 さぁ羨ましいだろう!妬め!嫉妬しろ!


「そうなの?てゆーかレイヤーじゃなくて素人って、お前彼女どーゆー事?プロじゃなくて素人?あぁ、そういう意味…お前のでしたのか俺…ナンバー幾つ?」


「何が?それに、何その態度…悔しくないの?」


「いや、同人系の関係者って凄いな。将来はあんな感じの女優になるのかな?…てか、年上だったっけ?」


 何か勘違いしてない?まぁ良いや。『凄い』頂いたし。

 

 それから家に帰り自慢の彼女のSNSを見る。

 自慢じゃないけど俺はレイヤーとやらの彼女の活動を知らない。興味無いからだ、コスプレに。

 それにミサも俺をその界隈には勧誘しない。

 だからよく知らないから調べる事にした。

 有名なレイヤーになったら白座じゃないけど格差にこまっちゃうナ〜どうしようかな〜。


 俺は最近パソコンをゲットした。兄ちゃんから要らないのを貰ったのだ!ミサは俺がパソコン持ってる事知らないしな!ノロケとかあっかな?フヘヘ…


 俺は知ってんだ、昔からミサは名前を変えるとき、大体『ミサミサ』って名前にしてんだよ。

 多分コスプレの時も同じ偽名だろう。

 白座の話だとレイヤーってのは派手な化粧もするし原型から数倍は良くなるはずだから、千代ちゃんはともかく体育後の鬼島レベルにはなっている筈だろう…


「ミサミサ検索検索っと。」


 そして、検索がレイヤーが集まるサイトに引っ掛かる。さーてさーて…『ミサミサ』はっと。


 そこで俺の手は止まる…確かに紹介ページはあったんだ…レイヤーネーム『ミサミサ』…


 極薄の薄々で面積は原始人の葉っぱ?というぐらいの衣装に色のあるカツラ付けてドヤ顔てポーズをとっている2倍(当社比)ぐらい可愛くなっているミサ…はまぁ良い。


 下のBBSが…フザケて見た事あるサイトの掲示板みたいになっている…が…

『今度、よろしくお願いします!撮影本番ありで!』

『このムッチリ、前回のイベントに〇〇入れて注意受けてた椰子』

『この女は淫◎!レイヤーが誤解を受けるから早く辞めちまえ!』

『ミサミサはダイゴさんのお気に入りだからやめとけって…』

『あー、もうダイゴさんとしちゃってんのか…』


 分からないな…何が何だか…ダイゴさん?俺の大誤算?はい、降参?『しちゃ』って何を?


 まぁ待て…これは何かの罠だ。そうでないと俺が酷すぎるし罠だ。


 片や白座は学園ナンバーワン奴隷ゲットの昇り龍…世界でも取りに行く勢い。

 片や俺は大したものも無く、小さく肩寄せ合って生きて行く哀れな小動物。その小動物同士が裏切り合って何をする?

 

 ミサに確認を取るべきだ。そうするべきだ。


 俺はミサに電話にして近所の公園に呼んだ。

 俺が知る限り、近所の公園に呼んで確認を取るとろくなことにならない様な気がするが、とにかく呼んだ。


「ミサ、何か俺に言ってない事ないか?…」


「裕二…いや、岡田さぁ…私達ってお試しで付き合ってんだよね?だからあんまり深入りして来ないもんかと思ったけど…誰かから聞いた?」


 2人でデートの時は『裕二』と名前で呼んでくれた…今、岡田って言った。

 俺は最早、最悪の想像しか、出来なくなっていた。


「いや、ネットサーフィンで…コス…プレ…の…」


「あぁもう!見たんでしょ!?悪いっ!?最初は際どいコスしてたらギャーギャー騒ぎ始めてさ!自分で作らないモデル気取りのブスとか!友達も誘ったくせに別の所行っちゃってさ!それでダイゴさんが助けてくれたの!悪い!?岡田とはお試しでしょ!?何やったっていいじゃん!」


「え?どういうこと?」


「そんなに文句があるなら別れればいいんでしょ!」


「いや、待…」


 俺は混乱して適正なコメントは一つも出せなかった。


「大体さ!岡田エロい事したいだけでしょ!家がすぐ近所で岡田の家でしたらすぐ親にバレるじゃん…私の家でもすぐ分かるしさ!恋人関係なんて土台無理なんだよ!じゃあねッ!バイバイッ!さよならっ!」


 何故か…いや、既に別れルートになっている。スピーディ過ぎてついて行けないワンダー展開。俺はちょっとアレ…確認だけしたかったんだけどな…何でこんな事に…


「ちょ…違…」


 少しだけ泣いてる様に見えたミサの横顔…そして去っていく背中…ムッチリしているな…違う…俺はフラレた…のか?


 俺は絶望しながら公園で泣いて………ない。

 意味がわからないからだ。早くない?理解が追いつかない。


 とりあえず明日、学校で相談にしよう。色々と。


 だが…学校で相談したのが運の尽きだったのか?

 ケンタの第一声で周りが反応した。


『マジかよ!?今話題のNTRじゃんっ!?顔曇ったのか?いや、文字だと良くわかんないんだよ!』


 声がデケーよ…今まさに俺の顔が曇ってんの分かんねーかな…このバカは…

 驚いた事に白座がツッコんだ。


「永井…声デケーよ…その単語は駄目だって…あぁ来た来たアイツが…青筋立ててるよ…」


 何言ってんだと思ったら白座の彼女…天下一の美女、千代ちゃんが能面の様な…しかし明らかに不穏な空気を纏いやってきた。


「だ、だ、だ、誰がNTRされたんですか?私が?クラスメイトとしては黙ってはいませんよ!?」


「違う、お前じゃない、全然関係無い。コスプレイヤーの岡田の彼女がカメコにNTRらしい。」


「ふーん…岡田君、NTRれたんですか?それで?」


 白座の説明が雑過ぎだし、千代ちゃん、それでって酷くない?何かキレてるし。


「ざまぁするんですか?ねぇ岡田君?ざまぁするんですかねぇ?」


 前に聞いた事があるな…中学時代、白座は擬似NTRを千代ちゃんから食らっているらしい。

 ただ、白座は一ミリも好意が無かった為、逆に白座に惚れ込んでいた千代ちゃんが勝手に脳破壊されたとかいう話…白座の俺モテんでしょクソ話かと思ってんスルーしていたがマジだったのかぁ…

 しかし俺は一つ疑問があった…


「で、君ら盛り上がってる所悪いんだけどザマァって何?」 

 

 

  

 


 

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