第5話 Round5 妥協

ネコちゃんとの生活は続いていった。朝ごはんの担当は僕のままだ。


ネコちゃんのご飯は、キャットフードの缶詰をあげていたのだが、母親が

いつもの缶詰と違うのを買って来てしまった。いつものはシーチキンを

こげ茶色にした感じでほぐすと人間でも美味しそうに見えるものだった。間違って

買ってきたものは上部がゼラチンの塊で、本体がサーモンピンクでペースト状に

固めた物だった。しかも若干酸っぱい匂いがして人間から見ても美味しそうに

感じなかった。だけど、選択の余地はなかったのでネコちゃんにいつもの

お皿にのせて与えてみた。


喜んでいつも通り近づいたが、違うと分かった瞬間僕の方を向いて「ニャー‼」と叫んだ。明らかに『いつものと違う』と抗議している「ニャー‼」だった。少しの間は食べなかったがネコちゃんもお腹がすいていたので仕方なく食べた感じだった。

その後、僕のところには寄ってこずベットの下に隠れてストライキをしているようだった。


それ以降、僕がネコちゃんの缶詰を買いに行く係りとなった。

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