苦悩

 礼拝堂でボクは懺悔していた。


「主よ。お許しください。昨日の夜、ボクは、……出してしまいました」


 誰もいない事は確認済み。

 十字架の前で手を組み、昨日自分の汚れた汁を下半身から出してしまった。そのことを天から見守る主に、懺悔する。


「まさか、……出るなんて」


 はっきり言おう。

 初めて、出たのだ。


 小学六年の頃は、夢精だった。


 それ以来、ボクは下半身から汚れた汁を出さなかった。

 しかし、昨日、唇に当たった乳首の感触と、濡れたお股に手を入れた興奮から、ボクの下半身はキャパシティオーバーした。


 感想は、「あんな感じなんだ……」だった。


 しかも、あろうことか、長門さんはズボンに手を突っ込んでくる始末。


「正直すぎなんだよ。あの子。どんだけ、自分の気持ちに忠実に生きてるんだよ。初めて、触られたんだぞ」


 ボクはエマ先生が好きだ。

 なのに、この気持ちが全て長門さんに浸食されていく。


「もう二度と、……射精しません。ボクの気持ちは、エマ先生だけのものです」

「えっ!?」

「え?」


 驚いた声が聞こえ、振り返る。

 ――目を見開いたエマ先生が、後ろに立っていた。

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