朝の侵入者

 ゴソゴソと物音で目が覚めた。


 何せ、三畳半だ。

 この狭い部屋では、ちょっとの物音が間近で聞こえるので、睡眠の妨げになる。


 眠い目を開けて、音の正体を確認する。


「……うん。これで、よし」


 目の前には白いパンツがあった。

 布地に包まれたお尻は丸くて、大きめ。


 スカートは白を基調としたデザインで、よく見れば女子の制服だった。


「だれ?」

「うわ、びっくりした」


 首だけで振り返り、座っていた女子が申し訳なさそうに謝ってくる。


「ごめん。起こしちゃった?」


 ヒナ姉ちゃんだった。


「うぅん、ちょうど起きたところだけど」


 鍵、掛けておいたはずなのに、どうやって入ったんだろう。

 謎はあるが、眠くて頭が回らない。


「んー、……ふふふ」


 頭を撫でられた。

 羽のように柔らかい手の平の肉。

 耳の裏や頬を撫でられ、くすぐったくて布団に隠れようとする。


「もうちょっと、見せてよ」


 だけど、布団をずり下げられ、ヒナ姉ちゃんが正面から顔を覗いてきた。


「ん~~~~、ふふっ。可愛い~~~~っ」


 ずっと頭を撫でられ、眠さもあって、目を閉じてしまう。

 だけど、いつまで経っても感触が消えず、薄く目を開けてみる。


 ヒナ姉ちゃんまで横になって、いつの間にか一緒に寝ていた。

 ルンルンとした瞳が輝き、笑顔で見つめてくる。


「恥ずかしい……」

「なんでよぅ。昔はこうやって一緒に寝たでしょう」

「う、ん。でも、恥ずかしいから。もう、高校生だし」

「そんなの関係ないよ」


 フルーティな匂いと温かい感触。

 ヒナ姉ちゃんが抱き着いてきたらしい。


 胸に顔を押し付ける格好になっていた。


「……っ」


 昨日、初めて女の子の魅力を肌で感じたボクにとって、女の香りは意識を覚醒させるのに、特効薬となっていた。


「ハルく~ん。だ~い好きっ」


 さらに、大きな胸に顔を包み込まれ、腰を引いてしまう。


「ひ、ヒナ姉ちゃん。やめ……」


 股間が、とても痛かった。

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