常見 ヒナ

 ヒナ姉ちゃんは、高校二年の先輩だ。

 風紀委員長で、明るくて、優しいお姉さん。


 小さい頃から一緒で、ボクはずっとヒナ姉ちゃんに、世話を焼かれて生きてきた。


 八重歯と吊り上がった目の形が特徴で、長い髪は赤いリボンで結び、ツインテールにしている。


 常に、ボクの事を見てくれているので、何かあっても、トラウマにならないのはヒナ姉ちゃんのおかげだった。



 校門で生徒の身だしなみチェックを終えると、ボク達はそれぞれ自分たちの教室に帰っていく。


 その際、ヒナ姉ちゃんに呼び止められ、手ぐしで頭をセットされた。


「寝ぐせ、ひど~っ。ちゃんとセットしてるの?」

「してるよ」

「ホントかなぁ。ま、いいけど。今日、校内の巡回ハルくんでしょ。ワタシ、しばらく学校にいるから、分からないことあったら連絡ちょうだい」


 ボクは頷き、手を振った。


「走ると転ぶよ!」

「分かってる!」


 ヒナ姉ちゃんが、心配そうに見ていた。

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