第55話 10万文字小説vs大作、又は100万文字以上の小説

 以前記した長編コンテスト前提なら10万文字以上、というエッセイに対する異論を記そうと思う。当然皆さん理解しているとは思うが、読者さんにはライトユーザーも含まれるので書いてみる。

 大作、もしくはざっくり100万文字を超える作品という前提でいく。


□大作、100万文字作品の前提

・大作を書くことが苦にならない人

・大作を書いても、途中で文体が変わらない技術を持つ人

・そもそもハイスコア勢な人気作家

・既にプロ

・コンテストより書籍化打診重視。もしくは両対応

 ・加え、大作書きつつ他の作品も書けたら言うことなし


 まあ大体こんな感じだと思う。100万文字かどうかはともかく、大作を書くのはとても大変な作業。私も60万文字程書いたことはあるが、あの苦労はシャレにならない(笑)

 私の場合一番の問題点は「途中で文体が変わる」というものだった。時間を置いて書き続け、作品の流れが変わると自然それに相応しい文体に寄ってしまう。読者さんは困惑し、それについて感想を残していた。登場人物が「軍人みたいな話し方になってる……」と。申し訳ない気持ちになったのをよく覚えている。

 なろう小説っぽい作品がライトノベルっぽく変化し、徐々に文章が重くなってしまった。ここら辺の対応がとても難しい。

 ライトユーザーに大作をお薦めしない理由の一つである。


□大作、100万文字の利点。商業作品になったら有利

 言うまでもなく「商業作品」になった時、既に「仮原稿」が出来上がっていることだ。多少手直しはするだろうが、既に原稿はある。となると、仕事になった時スムーズに対応出来る。後はヒットするかどうか。

 ハイスコアな作品ならそもそもコンテストを重視せず、書籍化の打診を待つことも出来る。これがWeb小説で人気がある作家さんの特徴だろう。更新しつつコンテストにも参加はするが、そもそも人気があるので書籍化のチャンスはより多い。


 ただしこれはとてもハードルが高く、かなりの実力者でないと続けられないと思う。技術的創意工夫のみならず、読者ユーザーさんを楽しませる工夫も必要という、レベルの高い話だ。

 なろうでハイスコアは1万ポイント以上かなあ。

 カクヨムだと星2500とか?

 ここら辺は皆さんの方が詳しいと思う。

 一方コンテストに限ればちょっとしたリスクがある。


□10万文字長編との争い

 大作vs10万文字作品という、異種格闘技状態(笑)

 これで10万文字作品にあっさり負けても、最初は特に気にならないと思う。だが、他のコンテストに参加し続け負けが重なると、ちょっと気分が悪くなるかもしれない。100万文字作品で挑むなら、ざっくり1/10の労力しか使ってない奴に負けるのだ。

 とはいえそれすら苦にならない、というのなら問題はないだろう。

 コンテストはあくまでコンテスト。

 Webでの人気争いという戦いで勝っていれば、ノーダメージ。

 ここら辺はそれぞれの感覚だと思う。


 かなりの猛者にのみ許された特権と言えよう。


□我々は戦う運命にある。ならば勝負だ!(笑)

 というわけで最近だとネトコンさん、そしてカドカワBOOKSさんの長編コンテストが締め切られた。参加作品数はどちらも多く、お知り合いの方々とも争うことになる。

 ネトコンさんは文字数制限がそもそもない、というコンテスト。

 カドカワBOOKSさんの長編コンテストは10万文字以上。


 よーし、ここがロースコア勢の意地の見せ所である。

 プロだろうがコミック原作者だろうが、同じ舞台で戦う宿命にあります。何よりWeb上では「毎日のように負け続けている」わけだから、コンテストぐらいしか勝負のしようがないw なんでそんな人気あるの……ねえなんで? と、尋ねても仕方ない。


「貴様には無理だ」


 と、言われるのがオチである(笑)

 ネトコンさんは一次、二次、最終結果。

 一次が10月下旬予定。二次が11月下旬予定。

 最終結果は12月下旬予定と、年内に結果が出る。

 カドカワBOOKSさんは中間選考、最終選考。

 中間選考が10月中。最終結果が12月中。


 どちらも年内に結果が出る。

 さあさあお互い憎しみ合いましょう(笑)

 他のコンテストもありますし、そこで相まみえることが出来たら幸い。

 お互い結果が出るといいですね。


 次回は一次や中間選考を通過した時の苦悩について記す予定。

 あくまで予定なので気の向くままに記します。

 ではまたです。


・参考エッセイ

書籍化作家さんからのお悩み相談にお応えする。小説序盤問題と創作スタイル問題。作品の価値とは

https://kakuyomu.jp/works/16818093082359744568

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る