第50話 カドカワBOOKSファンタジー長編コンテストについて考えてみる

 ーー1つ前に記した創作論エッセイがプチバズりし、私の代表作、推理文芸日間1位作品のスコアをあっさり塗り替えた。なんか反響がありすぎる、なぜ商業作家まで感想を残すのだ。エッセイ需要あり過ぎだろーー


 ええ、あっさり連載中小説のスコアを上回りました。そんな惨劇が起きた昨今、皆さんいかがお過ごしでしょう。カクヨムではダブルスコアを超え、当該エッセイ、創作論の週間ランキング1位にずっと居座っています。嬉しい……でも小説、小説を読んで欲しい……!


「つーかなんでこうなった!? なろうでもや! 評価0想定してたら1位になってた! どういうことや! 万のスコア抱えるユーザーや商業作家がなんで来た! びっくりしたわ!」


 こうなると「リワード稼げるから、いいや!」 と開き直るしかありません(笑) はい、そんな事はどうでもいい。本題に入りましょう。


□「カドカワBOOKSファンタジー長編コンテスト」

https://kakuyomu.jp/contests/kadokawabooks_fantasy_2024/detail

 こちらに参加しました。

 カドカワBOOKSさんのコンテストは以前にも参加しており、その際は中編「賢いヒロイン」がお題となっておりました。その際は「殺戮勇者の使い方」が中間選考通過。残念ながら最終選考には残れませんでしたが今回は長編コンテスト。今回求められる特徴を記し、少し考察してみましょう。


□「明記された、読者選考より編集重視と思しき点」について

 まず「男性向け女性向け問わず」とあり、以降にコンテスト主催側、カドカワBOOKSさんの考えが記されていました。少し長いですが引用します。


 ーーそもそも、WEB発書籍は、編集部ではなく読者によって見出され、相互作用の中で名作としてのオーラをまとっていった作品です。

そこで作者たちが競ったのは、創作者としての意欲や発想力といった通常の新人賞選考でも見られる力のみならず、「長期にわたって継続的に読者を楽しませ続ける力」「読者とのコミュニケーションをアドリブ的に物語に組み込んでいく力」「何を書き、何は書かないかといったセルフプロデュースの力」など多様なものでした。

今回の選考では従来の選考方法に加えて、編集部独自の視点も取り入れた新しい選考基準での作品発掘を目指しますーー


 引用終わり。

 他に「良いWEB小説とは何か」「コミックやアニメ化」のお話、そしてニーズはどこにあるかなどが具体的に挙げられています。私がこれらから注目したのは二つ。まず一つ目。


・WEB発書籍はWEB人気ありきだった。しかし今回は編集部独自の視点も取り入れ新しい選考基準での発掘を目指す


 こう明記されています。

 ん? これ我々ライトユーザー兼ロースコア勢からして見れば、


「え、マジですか! 本当ですよね!? これは夢ですか? いや違う! 事実や! やった! ついに来た! もうやる気しか勝たん!」


「はい、我々大勝利」と泣きたくなるようなお言葉です(笑) 実際「優秀賞若干名」とあり、これはチャンスかもしれません。前回「殺戮勇者の使い方」がスコア20ぐらいで中間選考通過してますから、もしかしたらと期待は高まります。若干名……そう若干名に入れるかも? と。


□求められる具体的な作品例

 更に作品例が記されており、私はここに注目しました。一部引用します。


ーー【求められている作品例】

・定番の異世界転生や令嬢ものにこそニーズがある

←→今こそ新しいものがほしい、ミステリーや医療ものなどWEBには少ないものもほしいーー


 引用終わり。

 そう、ミステリーとあったのです。来たよこれ……待ってた(笑) 他にも求められる作品例が挙げられているので、皆さん確認してみて下さい。


□ミステリーで応募

 前回儚く散った「殺戮勇者の使い方」は現状10万文字ありません。ですが「侯爵令嬢の華麗なる追放劇」は10万文字を超えています。


「待ってたぜ……この時をよ……!!」


 実際さ! ミステリーなんてカクヨムでもどこでも全然読まれへん! マジ読まれへん! なんなん! 星付いたら1でも日間ランキング即入るねんで!? なろうやったら10Pでトップ5! 即ランキングトップページ行き!


「おかしいやろ!(笑)」


 というか、ミステリーとか短編だらけで長編はまあ少ない少ない。レアモンスター状態で完全に短編天国。カクヨムでもなろうでも短編が幅を利かせ、長編ミステリーなんてごくごく僅か。

 いやそりゃ「ミステリー」ですから。「いつ謎解きされるんですか?」と、読者さんが短編に走る理由も分かります。ええそりゃもちろん。私なんかは読む系企画者ですから別として、皆さんはそうなりますよね。


「短編で謎解き」

「5000文字以下で謎解き」 

「なんなら1000文字以下でミステリーっぽいもの」


 こんなんされたら長編ミステリーに居場所なんてない。タンパな読者さんは「長編ミステリー」と知った瞬間「異世界ファンタジー読みに行こ!」となりますわなそりゃ! 異世界ファンタジーとか現代恋愛とか行きますよね。そりゃそうなりますよ知ってます!


「それでも私はミステリーをやめない!」


 知ってます皆さん? カクヨムなら異世界ファンタジー、なろうなら異世界恋愛が圧倒的に読まれる。倍では済まない。10分の1ですら生温いほど、異世界ファンタジーと異世界恋愛は大人気。実際ジャンル変えて試し、判明しました(笑)


 おうさ、聞いてた……知ってた……だけどなあ……限度ってもんがあんだろ! 格差社会にも程がある! ジャンル変えた瞬間PV暴上がりとか苦笑い過ぎだ! そこまでミステリーを敬遠するか! わしゃ大谷翔平か! 敬遠し過ぎだよ! 打席に立たせて! 勝負させて!(笑)


 でもいいよもう、上等だよ……そこまで避けるならもうコンテストしか見ないからな! 見てないからな! もうスコアとか必要ないしいらねーし! もう来なくていいよ!

 僕は一人でミステリする! 放っておいて! みんな僕の事が嫌いなんだろ! 知ってたさ! だからお望み通りいなくなる! せいせいしたろ、お互いに!


 ……と、そこまでは言わないですが、事実だからそう考えるしかないんです(笑) 真面目な話、圧倒的現実。ですが間違えても「ミステリしたけりゃ非公開系のコンテストに行け」とか言わないで下さい……さすがにそれは冷たすぎる。極寒です(笑)


□なぜ今回、編集部独自の視点と明記したのか

 私の星20ぐらいで通過な殺戮勇者の使い方しかり、以前からロースコア「スコア0で中間選考通過」という例もあります。こちら一つ前の創作論エッセイにも記しましたが、今までにもあったはずです。けど最終選考勝ち抜いたりはしてないのでしょうか。あると思うんですが、ちょっと分からない。


 あくまでカドカワBOOKSさんは今回この姿勢でいく、という事だと捉えてはいます。しかし「明記するものなんだな」と、色々考えてしまいました。

 恐らくWEB小説の人気、WEB上の人気前提な作品だけでは物足りないデータがあったのでしょう。加え、ほんの少しの懸念ではありますが「読者選考に偏り過ぎるとスコア争いで疲弊する」みたいな、そんな要素もありそうです。


「人気はあるに越したことはない。だけどそれだけで判断はしない」


 こういうことかなと。今までもそういう要素はあったと思いますが、あえて明記してきたと私は捉えました。「バランスの変更宣言」という印象です。


□コミック、アニメ展開の明記。しかし長編コンテスト

 こちらも見逃せない要素。

 意訳し過ぎかもしれませんが「文章は二の次。面白い原作が欲しい」という、そんな気配も感じます。「小説の腕前よりストーリーなどの面白さ特化」のような、言ってしまえば「原作者探し」と見ることも出来ます。

 従来の評価基準が一変したわけではなく、あくまで編集部独自の視点も加わりより多角的に評価する。そう受け止め方ました。ですが忘れてはいけません。


「応募条件は10万文字以上」


 そう、10万文字の求められ認められた物語を書かねば参加資格がなく勝ち上がれないのです。どこまでも長編コンテスト。

 さあさあ皆さん締め切りは8/27の11:59までです。

 準備はいいですか?

 もう参加されてますか?

 参加してましたか。

 そうですか、分かりました。


「よろしい、ならば公募闘争」


 我々は戦う運命にあるようだな……。

 前々から君たちのことは気にいらなかったんだ……。

 とてもとても、好きになれない理由があった……。

 私の作品よりスコアが高いだろう(笑)

 んでもって読者も沢山いるんだろう!!

 この人気ユーザーちくしょーめ!!


 いいか逃げるなよ。

 きっちり白黒つけてやっから、感想欄で宣戦布告してこい!

 相手してやる!(笑)

 そっちがどんだけスコア稼いでようが、コンテストの前では意味などないのだよ……賢いヒロインで我々が証明したさ。「スコアなどしょせん飾りに過ぎん装飾品だと分からせてやる!」とまでは言わないが「あんまり意味がない」と思い知らせてやる! かかって来やがれハイスコアミドルスコア勢!w

 ロースコア勢は仲良くしよう。

 僕らは友達だ(笑顔)


 ってわけで、コンテストで待ってます。

 あと、ここまで読んだなら感想欄になんか書いていけ(笑)

 あんだろ、なんか!w

 ないとかおかしいわ!w

 本当にないの? じゃあ仕方ないけど……(涙)


 涙を流すのは、祝福されるのはどちらか要注目!

 ではさらばだ! また次回お会いしよう!


・参考エッセイ。単独版として投稿した冒頭の奴

「なろう日間1位エッセイに物申す。カクヨムの快適さには意味がある」

カクヨムの圧倒的快適さの意味vs創作という観点

https://kakuyomu.jp/works/16818093082474086345

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