第42話 賢いヒロイン2。長編化前提の中編コンテスト。中間選考通過編
今回は中間通過編を簡単に記します。
□評価基準
・「賢いヒロイン」というお題をこなしているか
・「カドカワbooks」に合う作品か
・「長編化を前提とした」コンテストである
分かりやすい評価基準はこの三つ。
「賢い」とか「賢いヒロイン」だと曖昧なのですが、こちらは「カドカワbooks」さんというレーベルを知ると全体像が見えてきます。
◆カドカワbooks公式HP。人気作品ページ
https://kadokawabooks.jp/product/series/popular.html#series-amine
・アニメ化作品、人気作品を多く有するレーベルさん
・ふんわりほのぼの、明るさ重視、ストレスフリーな作品が主軸という印象
・令嬢、後宮、魔王勇者、グルメ、異世界お仕事系など、Web小説の王道、メインストリーム
何事にも例外、突撃突破の開拓者はいます。ですがあくまで「Web小説を主とするレーベルのコンテスト」と捉えるべきでしょう。今回はお題がありましたから、お題は最低条件ですね。
私のカドカワbooksさんに対する印象は「明るく楽しく元気よく」というものです。
もっと分かりやすく表現すると「マンガ」みたいな作品が多い。扱う題材こそWeb小説ですが「ダーク・シリアス系」は少数派かな? という感じ。
その中から「長編化した時に面白そう」という作品が評価された。
「長編化を考慮して評価されるコンテスト」と、告知の概要にもありました。
□何事にも例外はある。殺戮勇者の特徴と立ち位置
ホラーが3/19で三作品通過など、面白い現象は存在します。
「明るく楽しいホラー」かもしれませんが、ちょっと分かりません。
281作品中186作品は異世界ファンタジー。
残る95作品中34作品が恋愛。
中間通過のタイトルを拝見する限り「令嬢・後宮系」も多い。
殺戮勇者は異世界勇者魔王系の変わり種、という立ち位置かもしれません。
・異世界ファンタジーとしての殺戮勇者の使い方
殺戮勇者は異世界系に分類され、転生者を敵として描く作品になります。勇者魔王系でもありますが、主人公は第五王女システィーナ。
タイトルこそ一見物騒ですが、ユーモアとシリアスを使い分けています。「ギャグ作品」ではないですね。
自己採点しても仕方ないのですが、ちょっとやってみます。
・問い1「賢いヒロイン」を描けているか。
A.賢い、特に周囲が。自然主人公も頭を使う。
・問い2「カドカワbooks」に合う作品か。
A.異世界系だが少数派と思われる。今後の展開次第。
・問い3「長編化を前提とし、更なる発展が見込めるか」
A.超長編作品。戦争から政治劇、勇者魔王に転生者と書き出したらキリがない。取捨選択しないと、冗長なだけの作品になる恐れあり。主人公システィーナと実弟レイモンを中心に据えるイメージ。
六万文字制限の中で描かれた「殺戮勇者の使い方」は、端的に「主人公システィーナの覚醒物語」です。
人は影響し合う生き物で、置かれた立場で考え方が変わる。
殺戮勇者の誘いに応じたシスティーナは、自らの決断に責任持たねばならない。正に「殺戮勇者の使い方」を含め、彼女は背負うことになる。
続きがあるなら明るく楽しく元気よく、時にシリアスに「殺戮勇者の使い方」を描かないとですね。
先のエッセイにも記しましたが、正直「後宮・令嬢」系に比べると分かりにくい賢いヒロインなので、中間通過はないと思っていました。
スコア15だったし(笑)
異世界を舞台に勇者魔王を扱いながら、第五王女をユーモラスに描く。
シリアスな面もありますが、以降は最終選考で問われます。
「カドカワbooks」さんのコンテスト通過の一例として、参考になるかもしれません。
□1/281の戦い。勝てる気がしない
さて、281の通過作品にはスコア0というものも存在しました。最終選考にスコアが影響するのなら、我々は既に省かれているでしょう(笑)
なんとなくですが、恐らく関係ないと私は考えています。根拠がないので断言は出来ませんが、中間選考同様結果を見守るしかありません。
今更悪あがきしても仕方ないし、したくない(笑)
・次回開催、嫁入りからのセカンドライフ
「嫁入りからのセカンドライフ」中編コンテスト
https://kakuyomu.jp/contests/kadokawabooks_suddenmarriage/detail
こちらに、
――◎長期連載が可能
※受賞・書籍化が決定した際、投稿作の連載をそのまま続けて頂く予定です――
と記されていました。
はい、スコアは高い方がいいかもしれません(笑)
ともかくこちらも長編化、更に連載前提のコンテストになります。
・勝負の分かれ目
前回のエッセイで「お題に沿ってない形」と記しました。
今回はレーベルさんの特徴と「長編化」という前提を書きました。
「どこが勝負の分かれ目だったんだ……」と疑問を持たれた方は、繰り返しになりますが、
・お題
・レーベルとの相性
・長編化、連載前提
という三つを意識してみて下さい。
選考通過作品はそれぞれのポイントで評価された、と私は思います。
殺戮勇者なら「異世界」「勇者魔王」「王女と王子」「ユーモア」「情報戦」「長編化可能」という要素が挙げられます。
挙げてみると結構分かりやすい作品ですね(笑)
・最後に
コンテストは毎月どこかで開かれています。
今月も末に発表がありますし、来月はカドカワ読書タイムのコンテスト結果が出ますね。
戦いはまだまだ続きます。
一滴の血も流れない、約束された平和な闘争と参りましょう。
ではまたどこかのコンテストやこのエッセイで。
また次回、お会いしましょう。
「殺戮勇者の使い方」
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