第6話 あなたはそれでいい。初心者講座には偏りがある

 今回はライトユーザー向けの緩い創作論。

 RTで読む企画を行うと、色々なものが見えてきます。代表的なものを挙げましょう。

 この作品は、


「想定読者に刺さっているか」

「ジャンルと読者層が、乖離していないか」


 というものです。

 実はここさえ押さえれば「作品」は成功しています。Webコンテンツとして成立している。

 基礎中の基礎ですが、これについて記していきます。

※ジャンルの部分はサイトにも置き換えられます。

※タイトルやあらすじでやらかしてる人もいます。これはまたいずれ。私もやらかしてます(笑)


 RTで読む企画をやっていると、様々な作品が送られてきます。それはもう多様で、BLまで来るんですからたまりません(笑)

 せめて百合にして欲しいのが男性書き手の本音ですが、ツイートには上限があり入りきらない。無念。

※今回はツリーもかなり目を通された方が多いよう。


 さて、あなたの想定読者は誰ですか?

 戸惑う必要はありません。

※さあ、この壺を買うのです。さすれば全ての悩みが解決するでしょう……なんて言いませんよ(笑)ほんと単純な話なので。


 プロやWeb強者でない限り、答えは決まっています。


「最初の想定読者は自分である」


 これが基本です。

 自分がつまらないと思うものを書き続け、Webに載せるのはプロや強者だけです。

「仕事だから」こなせる。

 自分が楽しいと思えるなら、まず一つクリアしていると思っていい。

 作品として正しい方向に進んでいるかは、次の課題になります。


□第二の課題 ジャンルと作風


 次に想定すべきは、ジャンルと作風です。

 情報量、つまり地の文が多い作品は文芸。或いは文芸寄りのライト文芸。そしてライトノベルも含まれます。

 ライトノベルの層は厚く、古くは菊池秀行先生の「吸血鬼ハンターD」など、一風変わった硬派な作品も含まれるからです。一昔前から言われている話題ですね。


 とはいえ作風をどちらに寄せるか。

 情報量の少ない作品はライトノベル寄り。

 多いものが文芸寄り。

 と、考える人が多いかもしれません。


※経済小説なども情報量が少ないケースがある。

 理由は、そもそも専門的な情報量が多いからかもしれない。結果Web小説、ライトノベルみたいになる。

 古式ゆかしい「会話ばかりのものは、およそ小説とは言えぬ」という論評は、昨今の経済系の小説ですら当てはまらない。


□「読者は片手間で読む、暇を埋めるために。だから軽い文章がいい」の偏り


 創作論でちょくちょく見かける、


「軽い文章を書け! 誰も地の文なんて読みたくないんだ! サクサクこそ正義!」


 偏ってます。

 正解ではありますが、一つの攻略法に過ぎません。

 正解は複数、読者層の数だけ存在します。


 断言しますが偏り過ぎです。

 世の中そんなに単純じゃない。


 あなたが想定読者を「余暇を埋める為」「暇潰しの一つとして読んでる人達」「気軽に読めるもんねえがぁー」とした場合のみ当てはまります。

 ブログやSNSみたいに捉える、というスタンスですね。


 この層がどれぐらい分厚いかは分かりませんが、リスクリターンが見合っていると思えば正解です。

 ただし、成功するとは限りません。

 以前も記しましたが、

「Webコンテンツは基本伸びない」から。


※層が厚いならそもそも激戦区。これ大事。

※簡単に伸びるなら出版社も新聞社も、ネットメディアも苦労しません。

 もし簡単に稼げるなら、誰かに気を遣い「こういうこと書いたらスポンサーに怒られる」なんて考えなくていい。簡単にはいかないから、誰かに気を遣い「書けない話題」が増えていくのです。

※逆に過激になったり、安直になったり。


・想定読者

・ジャンルに相応しい作風(文体)

・作品の内容


 このバランスが取れていると、そうそうおかしな作品にはなりません。

 読む系企画者の私はそう思いました。

 つまり、

「あなたはそれでいい」

 ということです。タイトル回収しました(笑) 

 あなたや私の現在地を示す指標です。


□それでも成功しないのは


 Webコンテンツは基本伸びないから。

 と言えば身も蓋もありませんが、一応対策はあります。


「数を書け」


 これに尽きます。作品を増やすのです。これは多くの創作論で取り上げられています。

※短編などがいいでしょう。なろうのシステム対策にもなるし、長編へと繋がります。数書けるし。


「作品が伸びない。だが自分基準では悪くない。どうすれば?」


 数を書くんです。書いて載せて、宣伝するんです。


 ーーそして淘汰されていく

 ーー成功するのは一握り


 作品の良し悪しは当然のこと、読者に認められるのは簡単ではありません。

 気力体力時の運、技術とスタミナと宣伝への姿勢。何より時間。Webコンテンツであるなら、どれも欠かせない。


 一発で当てようと夢見る人は、自力で宝くじ当てに行ってるのと変わらない。いや当たる人はいますよ? あなたかもしれませんが、大体違います(笑)

※一発目の振りしてるだけ、かもしれないし


 数を書けるとなれば、当たる可能性は上がっていきます。そもそも読者が多くないなら、極端「似た作品でも構わない」わけですし。

 ここら辺は創作スタイルですね。


※数は武器。プロを目指すならなお、数多く書ける方がいいに決まってる。

※例外として「あの作者はもういいや」というケースはあるかも。悪名が広がちゃったりで出直した方がよくね?って奴です(笑)


□最後に。あなたの目標はなんですか?


「軽ければ軽い方がいい」

 一部の層にはそうでしょう。

 ですが、そんな単純な話ではありません。

 丁寧な描写、美しい文体、巧みに演出された空気感。

 これで跳ねてる作品だってあります。

 少なくとも、


「軽いは正義、最低条件」


 なんてことはありません。

 正直、読む系企画をやっていて、


「この人とプロと何が違うんだ?」


 というレベルの作品を目にしています。

 Webコンテンツ、ライトノベルとしても極めて良質。

 ですが、数字はそこそこ。或いはまあまあ。良くて中堅。上ではない……というケースがあります。知られていないと、土俵にすら上がれない。


 問題は目的と目標です。


・書いてみたから載せてみた

・出来るだけ多くの人に読んでもらいたい

・Webで快適に過ごしたい

・プロになりたい


 目標に合わせ目的意識を持つと、問題の解決に近づきます。

 私の問題は宣伝。認知されること、ですね。

※復帰勢で、カクヨムじゃ活動してないに等しい


 つまり、Webで快適に過ごしたい勢です。

 さて、あなたはどれですか。


 あなたはそれでいい。

 想定読者と作風、目標がはっきりとしているなら、あなたはそれでいいんです。

 その方向性で頑張って下さい。


 残念ながら、成功するのは一握り。

 だからこそ、成功した人達が輝くのです。

 成功を継続出来る者も、また一握りだけれど。


 誰しも生まれながらのプロではなく、Web強者でもない。皆アマチュアである。

 私が読んでいる作品から、プロや強者が生まれると強く感じながら―― 

 今回はこれにて。ではまた次回。

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