第14話 其々の日常
リチャードはご機嫌だ、大好きな肉を様々な味付けで食べられる、
「今日はウスターソースか、ドロッとして、僅かな酸味に複雑な味わい、美味い」
塩コショウ、カーリック、各種ソース類で毎回として同じものは無く、
冷凍肉との事で新鮮な肉と変わらず、焼いた肉汁が素晴らしく美味い。
向こうで食べてたのは、塩漬けの肉の塩抜きの物、味も油も損なっていて
焼いても味気ない、偶に食べられる近隣産の獲りたてすら及ばないが。
運搬と流通での日にちを思えば、主流は塩漬けか、乾物は致し方が無い、
それでも貴重な流通肉であり、腐敗防止が優先なのだから。
焼いても塩味、スープも塩味、香りや味の強い野菜とかでの変化程度、
胡椒に唐辛子、ニンニク等香辛料、香料類の発見が待たれる。
新鮮さを保つ方法は魔法か氷で、手間も対価も異世界では高額、
流通に工夫が必要だ。
ーーー
「アーシアって細身なのにおっきい、手に持ってるのサイズは?」
「え~、Dだけど」「ホントぴったりだね」
怒った風に「念話にしてよ、聞かれると恥ずかしい」
[フフ怒られた、ワザとだよ、羨ましいのでチョット意地悪したの]
[同じ位でしょ][細い貴方とゴツイ私、サイズ同じなら見た目…]
[替えられないかな、無理か~、パットとかで…]
[やめなドリー][あんたも狙ってるよね]
[え、誰、何の事…]もじもじし始める
[見掛けと中身のサイズが違うと詐欺だよ、ガッカリされるフフ]
[何の事よ…][さっき、アーシア虐めてたからチョット意地悪ね]
「ジュリも意地悪」「アハハ」の合唱だった。
ーーー
「ポルコ様ここ庶民の家?、昼間の様な灯り、動く画面、涼しい風
食事も美味しすぎ、水は出る、トイレは臭くない、洗濯は勝手に進む
魔法以上の魔法です、この家、商品とお宝の山ですよ、こんな世界も
有るとは…、夢じゃないですよね」
「ああ、夢なら覚めるが、後数日頑張って済ませれば、1日見物させてもらい、土産持って帰れるぞ」
「仕事が有れば、ここに住みたい」
「ハハそれを言うな、禁句」
ーーー
「隊長よろしいか」頷くダービット、カインが指を指し、続けて
「実戦と行きましょう、あいつ等の腕試し、肉狩りでどうです?」
「カインが言うなら許可しよう、新鮮な肉か、リノンが喜ぶなー」
「ダービット隊長、息子さんの様子は如何です?」
「全快だ、龍司様様だ、こんなに早く回復とか信じられん」
声を潜めて「やはり、大司祭より実力は上ですか」
「使徒様と言われても信じられる」
「そこまでですか…」話を終えて、戻って行く
「じゃ、準備させます、おーい野郎ども~」歩きながら指示する
「明日はバッファモー狩りに行くぞ~、「オー」勇者も実戦だ~」
ーーー
龍世界の者で域外に仕事を持つ物が多いが、現在、身分保障が無い。
堤総理の提案で交渉が持たれた、トラブルを避けて極秘会談である、
互いの挨拶や今回の騒動の経過と確認を済ませ、本題に入る。
「異世界でも建国していて、龍世界は現状、領土の一部である。
元は地球の日本国の一部であるが、民の日本国への支持は無い
更に龍世界を箱舟と称する様に、惑星自体を運航できると成れば、
主張を認めざるを得ないし、原因も意図的では無く異世界となる。
もっとも、原因も結果も全て非科学的であるが…
自然の脅威で剥がれ落ち、一部住民が俳出された。
現状、理由は不明であるが復帰も叶わない。
それらを踏まえて
元河原田から1.40㎞迄は龍世界とし、1.40~1.50㎞両国管理地、主体日本
何らかの移動手段が見つかれば両国間での移動は自由予定
壁内の住民には日本国、龍世界の二重国籍とする
龍世界から異世界に転出した場合日本国籍は消滅する
排出された者の土地は、公有地と等価交換し建物は転移させる
等と取り決め、特例即実行となる
付帯
「JR常磐西線 東西の連結、県道 16号 東西の連結を龍世界で実施」
「県道 151号、43号、61号の 3本を龍世界の侵入道路としたい」
「鉱物、野菜、果物等のサンプルの提供」
「調査の壁区間の開放」
貿易、関税、通貨に関しては交渉継続、現在日本国内に有る企業は
日本の法の下で継続する
ー
防疫の概念をしっかり忘れていた。生き物には菌が居る。
何方かが、或いは両方の絶滅すら有りうる、失念していた。
防疫のガイドライン作りと人類、一族、異世界人の違いの解明と
菌や薬物の効果迄に及ぶ、その上で魔法治療の効果と言うトンデモな
テーマが横たわるが、地球側に任せましょう。
ー
境界地は住民の魔法とスキルを利用し、重機の併用で予想以上に進む。
土木の常識、手順等変わる気がする、捻動力、創造等、現在は半端でも
今後の進歩に期待すら覚えるし、単に人手としても筋力が高く、
1.5∼2倍は有り、体力と合わせ格段に効率が増す。
建物は多数再構築し、魔法の効果で真新しい、デザインの古いのも有るが
使用されるのを待つだけだ。
ーーー
久しぶりにキャンプ場に戻って来た、凛と涼子、ジュリが要る。
夕食には早いが無性に焚火が見たい、焚火シートの上に焚火台を置いて
10時として4時間、3㎏の薪を5束ほど用意して、着火剤で火を起こす。
ロースタイルの椅子で火の近くに座る。
何も夏の暑い時にと思うのだが、この山間は陽が沈むと涼しくなる、
川の傍なので水温と地面の温度差で風が吹く、意外に過ごし易い。
この数日、怒涛の展開だった、火の温もりを…
「お主何を黄昏ておる、わらわを置き去りにして、つれないぞ」
「そうよ、家に帰しといて自分だけ異世界とか、連れてきなさいよ」
「私も忘れて欲しくないです、付いていきます」え、この成り行き…
「あれ~、ゆっくりできたんじゃ」三人共怒ってる様で…
「退屈なのじゃ、食べ物、ドラマ、お風呂、スイーツとこの子らとの
喋りは楽しいが、連れて来られてここに放置、やっと帰ったら火じゃと、
我をかまえ、皆をかまえ」かまってちゃんでしたか…
「賑やかねー、持って来たわよ、頼まれてたお弁当」蘭姉の乱入
「はいはい、明日は使節団、東京見物なのです、〇とバスですよ
皆さんも乗ります?」「乗る~」全員がハモった
「明日の準備は?」「特に要らない、コンビニ有るし」
・・・
火を囲み現状を話し、皆の気持ちを聞いていく。
蘭が口火を切る「辰也兄の嫁の春香さんが私の代わりをしてくれる、
嫁に来てから手伝って貰ってたけど私の代わりはバッチリで、お願い
私も凛たちと連れてって、凛と涼子は嫁に成るつもりだけど、
私は王子様を探す、それまではあんたの料理番だわ」いきなり暴露
凛の喋りを制して「凛は好きだし嫁にしたい、でも僕、気付いたんだ
自分が浮気者だって、アーシアって娘を人に渡したくないと気付いて
そしたら、そんな娘が凛達含め何人かいたんだ、そんな自分が嫌で、
凛と向き合えず、先送りしてたんだよ、ごめん」謝る僕を見て凛が
「やっぱりそうだった、フフフ、涼子良い?」頷く涼子
顔を見合わせ「二人共貰って」声をそろえて求愛された。
「えっ、日本は一夫一婦制…あッ」独立したのを思い出す。
「そうよ、私達も龍司が好きで、親友同士だし何方が選ばれても、
懸念が残るから困ってたの、だから独占できなくても一緒がいい」
「わらわも加えて構わんぞ、強い雄に惹かれるのは自然の理」ってジュリさん…
「ありがとう、僕も気持ちに正直になる、凛、涼子よろしくね」
「あ~あ、視てると羨ましい、ご飯食べてお風呂借りるね」
蘭姉の、その言葉を機に食事を始める。
「向うでは人化しても、塩味の料理では美味いと思わなんだが、
ここのは美味しいと言うのか、初めて食べる味ばかりじゃが、
食べ飽きん、主に付いて来て良かったと思う」
ーーーユーチユーバーのお仕事
〝異世界生活、龍司編”
④箱舟(龍世界の浮上の全て)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます