第13話 燃える大地
臨時国会が召集された。
全党一致だが思惑が異なる、展開が見えているのは、どれだけ居るのだろう。
巨大な建造物が収納され消失した、明日は惑星の姿を見せろという、
それの意味する所…、地球で対抗できる国家、勢力は居ない。
その事に気づかず議論する愚かさに嘆く政治家が少数だがいた。
堤太一は危惧した、東京タワーが収納できる=核サイロを転移できる
国立競技場収納=核弾頭保管庫、製造所、原子力発電所を収納させられる事実を、
各国は知らないし、魔法で原子爆発を制御できる等と考える者もいまい。
惑星が離脱すれば、何が怒るか判らないのだ、失敗すら有り得るだろう、
それを国家首脳自らが愚かにもやって見せろという。
一連の山都の件を重要認識の高い国々は、接触を探っているが、
糸口すら掴めない上に、糸口を総理自ら葬っている。
会津慎太郎より情報を貰っているからこそ、迅速に動く事が出来るが、
思慮の無い首相に潰される。
「岩田は気付かぬか、最悪、惑星衝突をさせ異世界に逃げる手が有る、
だから独立宣言しても怖い者無しで、様子見に下手に出て
対応を探っている事に、あいつは18の小僧以下、いかん小僧は禁句、まさか恭平の
友人が主役とは、科学と魔法の融合、この際、恭平のラノベ馬鹿も役立つかもフフ。
ーーー
家族内や職場で避難の話が出るが、結論先送り。
「子供達だけでも避難をさせたい」
「ペテンと総理が言ってるじゃないか」
「タワーと競技場消えたぞ、あれもトリックか?」
「もし本当ならどうするんだ」
堂々巡りで時間だけが過ぎて行き、避難は捗らない、
最大の理由は国、県、自治体が動かないせいだ。
慎太郎は多数の議員から龍司への取り持ち依頼や、
諫めろと助言や指示が来るのだが打つ手がない。
龍司から念話で竜三とは連絡も有り、その流れで情報は入る、
しかし、龍司から見て慎太郎の価値は低く、直接話は来ない。
身内の大半は運動、魔法、各種能力のスキル等が向上しており、
身内間の念話網も形成されつつあり、自分も捻話が出来ればと思う。
龍司への連絡も取りたいと思うのだが、年下の自分の子の様な存在を信頼する事を、自分の気持ちが許さない、国会議員と言う立場が邪魔をする。
信頼しなければ、信頼は得られない、現状、龍司への信頼も低いのだろう。
ーーー
テレビで見るものは、しょせん観るもの、安全地帯から視ている。
グラスカメラON
朝06時、突如壁から10㎞圏内に声が聞こえ眠りが破られる
「警告する、避難促進に2時間に10㎝上昇させるTV中継もする」
「ドドド~~~ン」と言う音と共に地鳴りが始まり軋む「ゴゴゴ~~」
画面は四分割
南は田んぼ、10分に1㎝弱等変化はない
西は阿賀川、湖面に細い筋が出来、球面に沿って水が流れ込み出す
北は境界の岩を接写で撮っている、岩に罅が入り崩れ出す
東は境界の道路、罅が入り細かく崩れていく
地響きは一向に止まらず、水蒸気の爆発音とそれに伴う揺れが多発
地下で加熱された水蒸気が広がり視認でき、やっと動き始める者も多い
2時間後
阿賀川湖面に筋の幅が広がり、落下付近は水面が抉れ、球面に
沿い流れ込む、水位が僅かに下がり、飛沫も上がる
他は10㎝程度では大きな変化に成らないが、崩れた土砂が球の下側に
流れ込み、倍ほどの広さに見える。
水蒸気が黒く成りだし、土砂流入の影響だろう
ーーー
国会中継も電波ジャックされ観る事は出来ないが、内閣が罵倒されていた
この非常事態に、その認識も無く、終息の為の方策さえ交わせず、
煽って国民を危機に晒している。
その現状を見るにつけ、さすがに機に敏の国会議員である、
前言も思想も捨てて、国民の窮地を救うべく団結した。
内閣不信任と次期総理首班指名を異例の形で選出、セットで可決され、
午後0時迄に、異世界に総理名で投稿すべく奔走し、
認証式を待たず、総理談話が発表された。
ー
「今回の一連の山都に関する不手際ついて、内閣総理大臣堤として深く陳謝する、
全てはHP掲載のとうりであり、初期の要請を無視黙殺した岩田前総理に起因する。
当事者である岩田氏には、その責を取って貰うべく国会一致で解任した
今後、関係を改善したく交渉を持ちたいので連絡を願いたい」
ー
時間はお昼少し前、徐々に異世界は降下し行く、
今正に溶岩も流れ出し、北部の山の一部が吹き飛び、火口化を始める微妙な状態
その儘なら新しい火山の誕生だ。
ダム湖は底が見え始めていた、山は燃えるし長時間の振動で家も崩れ
その恐ろしさを実感するのだった。
それが降下と共に収まっていく。
そしてこの日以降、航空機から見る画像も、穴が開いた地球に成った。
今回の件で認識した事を忘れさせない為、地図上から正真正銘姿を消えた。
世間が離脱で沸騰した隙を狙い、国立競技場と東京タワーは戻された。
グラスカメラOFF
ーーー
お盆中日の14日、東京の宗二の事務所の商品倉庫に、人が居た。
お盆で連休に呼び出された連中で、闇の一族の社員且つ目利き連中だ
倉庫は大きく棚も多いが、それを埋め尽くす数が有る、少数多品種
集めたのはクマルビ王国のポルコ、予備交渉の為、責任者数名を同行.
日本製品は宗二の会社で扱う商品を見せ、不足は後日とし、お互い商品の用途、
商品説明後、互いの国に有る無し、要不要、価値の高低等確認し数日滞在で
情報交換、ホームスティで親密な関係を築かせる、当然逆のスティも予定して有る。
リチャード、アーシア、ロベルト、ナタリー、ジュリ、ドラン等も同行
宗像と堤、両家にホームスティ、総理直々異世界人を視て貰おうと企画
人族以外もおり、外人コスプレ風に化粧に衣装で、翔子、恭平以外に
凛、涼子達にも応援を頼んで、堤家のspも話を通した。
一日過ぎ、皆の纏まりが良い、暴走しようとすると、周りからの注意が感情で、
それをすると相手が困る、嫌がる等、伝わり、おかげで身内も住民共トラブルは少い
交流で仲良く成る程、感情の機微がわかり、さらに捻話ができる様になってく
精力的に視て、食べて、食べて、お~い太るよ、寝る。
「甘くてシュワーなんて幸せ」「この食感に濃く深い香り…」何を食べてるのやら
ただ容姿で異常に目立つ、spも居て最悪は無いが、声かけを受けるのが一番ウザイ。
太一が居間でだらける息子を見て、躊躇した後「恭平、あれらは本物か?」
「あー、顎の下の鱗や尻尾、トラの耳に尻尾あれは作れんわ、動くしな」
「風呂で見たのか?」「触らせて貰ったよ、くすぐったいと動かしたよ」
「お上りさんなら、もっと燥ぐだろう」「感じないか親父は」「何をだ」
「感情の流れが来るんだ、スゲーとか、ウメーとか叫んでるよ、心でよ」
「あれらの一部の者は心で会話をする」「テレパシーでか?、信じろと」
「ああ、龍司はマブダチだ、俺は頭はそこそこだが喧嘩は強い、でもよ
やっても、やらんでも勝てないと心が叫ぶ、そんなの生涯アイツだけだ」
「まだ、18だろうが」「歳の問題じゃねーよ、それくれー何かを感じる」
「あ、忘れる前に伝えとく、夜中暗い内に元の姿、見せるって」
「虎とドラゴンか」「エルフとグリフォンもな」「ファンタジーだなー」
「龍司君はお前から見てどう見える、商売相手とか、相談役とかなら」
「突然だなー、商売はお互いが納得する値付け、相談は皆が折り合える所
何時も思うが、アイツ仲間内を大事にするが、間違うと恐ろしく非情だ、
綺麗事を言う奴、数で決める事が嫌いでね、俺と翔子も同じでツルんだ」
「納得だ、今日、宗像と突如呼ばれて、異世界の物産を見せられた、
魔道具や宝石とか珍しい物もな、商売はするが絞り取る気はなさそうだ、
アクドイ商売をする奴らには、碌なのはおらん。
龍司の親父も同じ性格の様だしな、お前の言葉もある、よし手を組もう」
堤家は敷地も広く、接待の為に庭でBBQ等をして持て成す為に、
覗かれない為の高い塀と、芝生を張った広い庭を有している。
上空には訪問団で一番小柄なドラゴンであるドランが浮いている。
1000坪の敷地に立つ建物に匹敵する、体躯は全長15m、高さ7~8m
翼幅は全長の倍程、縦横30間余の敷地の半部程を占める縦と横に成る。
余りの巨大さに発覚を恐れ、太一はドラゴニュートに変身させたが、
予想道理の警察の出動騒ぎになり「総理大臣邸がドラゴンに襲撃を受けてる」
との通報で、spも在宅なのに邸内を公開し鎮静化させる始末となった。
息子の言葉で踏ん切りを付けていたが、獣人を目に納得し決断する。
異世界と歩もうと、自らの政治生命を賭けると自らに課した。
決断後の指示は早かった。
慎太郎に聞き及んでいた、壁外1.4~1.5㎞の干渉帯を接収、
この100mの区間は離脱の際、被害も有り特に山側が酷い、それを晒さぬ
意味合いも有るが、以前の様に壁の中の景色が見通せない。
1400m地点の壁、漆黒の宇宙空間そのもの、正に闇、そこに住むから、闇の一族。
正に闇だから怖い、上下闇なんて怖いから近寄れない、だから隠すのだ。
一般人が立ち入れぬ様にフェンスで囲い、異世界との共同管理地とし、
自衛隊と警察の特別編成隊を創設、派遣し警察は道路と出入り検問、
将来は入管も設置し、自衛隊はスパイ対策である。
あくまで表面上の歌い文句である、実際は国民の保護が最優先。
平和ボケした日本人と言われる様に、外国で怖い目に合う人は多い
武器所持の合法、、生きる為の窃盗、少額殺人、誘拐等の事件等に
巻き込まれて死亡する例も増え、報道されぬ犯罪事例も多い。
壁の内側が異世界化したら…、中世の思想、思考で、行動する、
日本だと江戸時代前後の武器持ちの人達と、
現状の思考の、法律で守らていると過剰に信じ、夜の街も安全と慣れ切った者が
接触すればどうなるか…
ーーー
組閣の人事で難航する、前総理よりも認識の甘い者を派閥で押す、
この激動の重大な瞬間に居る事さへ解らぬ派閥すら有る。
組閣後失策、失言が予想できる相手の処遇、無駄な時間だが必要悪、
議決で国は回る、多数決の原理が民主主義。
例、一つの案が出される、案としては真っ当である。
住民主体の良く出来た法案である、が、メリットが偏る
メリットとは議員へのメリット、集票団体や献金団体、出身県等
そこで自分達派閥の都合の良い修正や別案を出す。議決で勝つ為に
法案自体さえ改変され、誰の為かが忘れられ、目的が変っていく。
鉄道や高速道路のルートとか箱物の利用予想を思い出せば良い、
最短で結ぶ筈が大回りに成り、利用数万の筈が数千とか切が無い…
幅広い意見を聞いて、皆が満足出来る様検討したのだろう。
ーーー
「なあ親父、相談が有る、大学に行かずに、異世界に行きたい」
「やはりお前もか、いずれ言うと思ったが」
「お前もって、翔子か」
「宗像の娘は嫁に成ると決めているそうだ、あちらの世界の国王だ、側室は
何人いてもいい、法律は彼だ、その上で、世界を回りたい、
使節団の獣人とも仲良くなり、地球と違う世界を文化を見たいらしい。
将来の仕事も魔法を使って、こちらの物との融合をさせる研究がしたい、
例えば魔法ライトとか魔動エンジン等と宣っているそうだ、でお前は?」
「探検家だ、未踏の大陸が二つ以上有るそうで、俺も国王のチャンスは有るぞ」
「ほざきおるフフフ」
「俺も獣人の嫁さんが欲しい」
「それが本音だろうが、資金は如何する」
「親父か龍司」
「やはり甘ちゃんか、龍司君は金持たずに国造ったぞ」
「それがアイツだよ、自分に必要な奴は磁石みたいに引き付けて離さん」
「親子で引かれたかワッハハハ、日本で負けたらお前の国に行ってやる」
「上から目線の親父なんぞ要らん」
「ハイハイ大人しくしますから頼む」
手お合わせお道化る親父を見て、こんな弾ける親父を見るのは何時以来か
余程、今回の件は心が躍るのだろう。
ーーー
[ティメンション・スペース]自分専用の次元空間を作る。
【龍ちゃん、このスペースどの位広げれる?】
【龍世界と同じ迄じゃな】
【コピーとか、創造は?】
【できるぞ、それに気ずかぬか?】首を傾げ
【龍世界と同サイズの世界を作れる、その世界は僕の想像で創造できる】
【その通り、我ら知的生命体と同等になったのだ】
【龍ちゃん神だし】
【お主が河原田で我を見た時、龍神を奉ると聞いており、東アジアの龍を
イメージした、それが我の姿だとな】
【我らは知的生命体の集合体。
知的生命体は魂の輪廻から解脱して昇華したもの、故に姿は無い
魂も命の昇華したもの、故に姿は無い
命を持つ生物が生命体で、進化した物が動物、魂を持つた者が人じゃ
魂が進化して知的生命体、知的生命体が集合、進化した者が…
知的生命体は人の魂に影響を及ぼす。
知的生命体も性格、感情等生前の記憶が有り、未だ進化途中で未練がある、
その影響が人の魂に触れる時、人々の願いと及ぼす力で、
神にも、仏にも、幽霊にも、そして龍神にもなる。
科学的表現ならば、命は電子の流れ、だから見えぬ
生命体とは、電子の流れが持続できる形態と機能を持つ物
電子の流れは物質と物質の間で起こる物質循環
ではダークマターとダークマター間で同様な事が起これば…
ダークエネルギーと一括りにして、未知なる物として表すしかない
それが科学の現状じゃ】
【おっと話が逸れた、我も進化途中で未練が有る様じゃ
肝心な事は、お主は解脱せずに、魂の集合体のネットワークを
構築しつつある事じゃ、
解脱して知的集合体に成った、我の進化系であり突然変異じゃ
過去四度絶滅させて進化を変えたが、新たな芽が出た様だフフフ
お主を見ているとワクワクする、好きに進め、成してみよ】
現在、地球世界、龍世界、異世界と三つの世界が有る
僕自身はいずれの世界にも問題なく行けれのだが、
各世界には人種的特徴があり、特に異世界には地球人は入れず、
地球に異世界人は入れない、何故か、それは魔法のせいである。
魔法はダークエネルギーと、ダークマターの物質である魔素を利用する
そう、空気成分に、ダークマターの物質である魔素とダークエネルギー
と言われる、未知の物質が含まれる。
二つの物質は地球人には毒でなり、異世界人には必須だ。
闇の種族ことドラゴニュートである、竜人の身体的特徴はその環境に適応し、
呼吸も、魔法も対応できる、移動できる手段が有りさえすれば、
三つの世界を移動自由なのだ。
龍司との絆、加護が有れば、制限は外れるが、龍司に依存する訳で
余分な負担と成る事は避けるに限る
ー
竜人身体的特徴
小脳、中脳が発達して通所の二倍は有る(腫瘍)
心臓が大きく謎部分がある(肥大)
血管壁が四層(三層)
皮膚の感触は変わらないが弾力と伸びが有る
多指症(六本・の確率が高い)
ー
龍世界を中心に、両世界を結べば、それで一応は解決なのだが…。
物流の移動手段はゲートの使用で、荷物さえ移動させれば良い、
互いの世界に行けなくても、龍世界での会談も、モニタ越しでできる。
が…、しかし なのである、全てが違う世界を結ぶにば、立地的に
適していてもこの龍世界では最終的に狭い。
会って、見て、触って確認する事も多く、その為に必要な施設が要る。
宿泊施設に商談施設、商品保管施設、見本施設、交通機関 …
街を作る為、故郷を失うそれは嫌だ、山と田畑と阿賀川こそが故郷だ。
故郷である山都=龍世界を残す為にディメンションスペースを模索中なのだ。
ーーーユーチユーバーのお仕事
〝異世界生活、龍司編”
③再設置ました、東京タワー、国立競技場
国会中継 岩田内閣不信任
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