第9話 壁の出現
グ-グルから発表が有った。
機器の不具合等ではなく、地図上喜多方市山都町付近は存在しない。
日本政府内閣調査局発表
地図には喜多方市山都町付近は存在せず、
各国の軍事、気象衛星で複数確認されました。
グーグルは昨夜の発表だ、時差で13日早朝のニュースとなり、
調査室の資料と共に、総理大臣執務室の机上に乗せられている。
12日の午後00時、会津慎太郎、国会議員から電話連絡を受け、
緊急事態宣言を発令する旨の連絡を貰ったが、
地方の地震で震度5~6で家屋の崩壊も無く、気象台の発表で一過性の地震と
発表された為、軽く考え、調査も対策も放棄した。
後に、自分の身に降りかかる事態に成るとは想像もしなかった。
部屋の主、岩田総理大臣の思考はループしていた。
「慎太郎議員の報告は正しかった、警察か自衛隊か、どうする」
「各国は地球規模と見るか…、ただの日本の一地域の異変と…」
ー13日モーニングショー・ニュース解説でー
○○「ここ見てください、黒いですねー、漆黒ですね」
✕✕「思ったより小さいですね、よく見ないと気づきません」
△△「一番で取材ヘリ出したんですよ、前方は見えてて
一定距離から進めず近づけません」
✕✕「本当ですか?、何も無いのに進めない?
飲んでません?、気圧下がると回りが速いいとか」
△△「仕事ですよ、あんたこそ理解してるのか?
普通じゃないから異変だろ、ネタに成るんだろが」
○○「飛行機から見ると、黒の丸い円が見えるそうです」
□□「怪奇現象で、ありますよ…暗黒の拡大の始まり…」
○○「煽るな□□!TVだぞ、恐怖を植えるな」
ーーー
竜三は感じていた、「時が来た」と、自分の代に「渡れる」
湧き上がろうとする感情を抑える、「もう少しだけ、龍司よくやった」
三の言を諳んじ、気を引き締める。
・・・
三の言
迷うな従え、古き地は捨てよ、なれど忘れるな、渡りを祝へ
羽ばたけ、新しき地で芽生えよ、渡った喜びを皆で分かてよ
・・・
[帰還者の住処を確保してやれ、飢えさせるな]
騒動が始まってから、竜三の心の叫びは、この地域の住民の
心に捻話として伝わる。
ーーー
12日朝、地震直後、見えない壁の出現、透明の壁で
言葉道理で何も無い空間に、触れれば壁と判る存在が有るのだ、
すぐに調査を始めて解った事は
ー
河原田の龍神社を中心に半径 1.5㎞の円状に覆われている
世間で闇一族と言われた者と家族には全く影響はなく、
車両等も含め出入り自由で、今迄と何ら変わりがない。
一般人と言うか普通の市民の出入りはできない、地震後、
全ての一族以外の人は壁の外に強制排出された。
ー
さらに判明した事
壁及び付近は人に危険はなく、むしろ壁に激突しても
慣性の法則が働かず、停止状態になり安全
空中は進むのと同じ圧が掛かるようで、燃料の消費のみ
壁方向には進めない、慣性の法則が働かない
ーーー
壁の存在と、人の流れで異変を感じた竜三は、躊躇せず
息子の宗二に日用品と食料を、壁内住民の一月相当分の量を
確保させる指示を出す。
宗二は自分の会社と親族と伝手を最大限利用して備蓄の方向で、
さらに確保の方向に動く、持ち込めなくても確保して準備する。
龍司は翔子と偶然懇意であるが、宗二も宗像商事と懇意で、
資金や便宜等が計られたが、龍司達は知る由もない
12日昼締め出された住民が、原因は闇の一族の陰謀だとデマが流れる。 道路の壁の外で騒ぎ始め、出入りする一族を見ると、家返せと絡み、
抗議の名を借りた、不法行為を行う様になった。
暴力的な事も多発し、竜三は壁の外への出入りを自粛させた。
喜多方市や県に相談するが、色好い返事も無く、対処もせず、騒動はエスカレート。
SNSもラインも、噂を信じ切り、家返せに同情的で、壁外に出された原因も
特定できていない事には、全たく触れずに、壁外に出された結果のみ拡散し、
あたかも一族住民による締め出しとの様相となってきた。
マスコミも面白がってニュースにし、無責任で適当なコメントを
MCや専門家と称する方々が私見としながら根拠のない発言をする。
事実より噂が先行し、全容の解明は数日後だろう。
慣性の法則が働かないので、危険も無く激突できるアトラクションだと、
面白がって報道された結果、暴走族風、ユーチューバー、一般の人も混じり
道路上は大騒ぎとなり、やっと、こ時点で警察が交通規制に乗り出す。
12日夕、家返せ騒動も警察の交通規制強化で、監督官庁の喜多方市へ
矛先が向き、陳情と避難と言う形で、役所のロビーは占拠され、業務は麻痺っし、
初めて山都市付近の大勢の人が、壁に入れずに、中の状況を確認できず
出入りできる者は身の危険を感じ外に出てこない、したがって本庁への詳細報告が
来ない事を理解する事となり、山都町に連絡して苦情を述べると、
壁内では12日昼緊急事態まで宣言して、その時点で相談したのに、
放置したのはそっちと返され、電話を受けた犯人捜しで、またまた時間が過ぎる。
壁外で騒動が盛り上がり始めた頃、壁内は既に落ち着いていて、
外へ出された人と家の確認と住居の厳重封鎖作業が進められていた。
不安を無くす為に食料は数日分前渡しされ、外からの帰還者の
地震後の聞き取りも成されたが、目立つ事柄はなかった。
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