第2話 消えた王城

 【龍ちゃん、僕の頭を操作してない?、

無自覚に考えて、行動し発言するんだよ。

この国の事も解ってるかの様に、隣国の軍隊に向かって進んでる、

状況もやるべき事も解ってるって…これ…】

【お主、さっき絆を結んだではないか、多くの民との絆をな、

皆の知識も、思いも、受け止めておろうが、我の力も使っておる。

普通の民の場合は共鳴、同調、更には、以心伝心辺り迄だろうが、

お主は命をも含めて使えるであろうがフフフ…】

【こちらの世界に来た事によって、力が覚醒したし、絆で強が増した。

それにね、龍ちゃんが学校の先生みたいで、ちょっと怖かったのが、

兄弟の兄貴みたいに感じるんだ、不敬と思うんだけど、ごめんね】

【そうか、よいよい、嬉しいぞ、すると、この星の守護はお主かものな】

ーーー

 地平線に人馬の集団が見え始めた。

 グラスカメラON

[並列思考]

 龍司1[荷駄、馬車の[収納]をお願い]

 龍司2[上級士官の確保と輸送をお願い、

 龍司x[・・・]並列思考で複数処理させる

     上空5m程高さで、透明バリアで捕獲士官見せ付けながら移動]

カメラは5m程の上空を進む、前方中央の馬上の指揮官が消える。

消えた事に気づき慌てる部下や馬の上空を進む、あちこちで消える、叫ぶ

荷駄の行列が街道を進んでいたのが、瞬きの間に馬を残し消えてゆく。

上空の様子は丸見えだから、弓や槍が結構飛んでくる、こちらも士官を拾いつつ、

動き進む為、外れたり、落ちたりするが、それも混乱に拍車がかかる。

隊列は崩れ始め、怒鳴り声や、困惑の会話が広がる。

上等の馬車が消え、裸の男達が落とされ、御者はマッパで馬を追う

馬は逃げ回り、兵士は暴れ馬から逃げ回り…、怒号が増していく。

裸の者が将軍だったのだろう、騒いでいたが何時の間にか捕獲されてる。

兵士が疎らになり、街道の荷駄は続くが消えていき、荷物を無くした大勢の馬子が

集積地に戻ってくるのが見える。

 グラスカメラOFF

 途中、兵士の食料荷駄中のジャーキーと携行パンを齧ったが、

余りのまずさに食事を諦める。

森付近で果物を見つけ、姫と分け合って食べていると、遥か前方に

尖塔が見えてきて、思ったより遠かったと実感する。

ーーー

 王城近く、奥まった位置の宿屋を取る

「泊り二名一晩お願い」「素泊まり銀貨3枚×2名、食事は別料金」

「付けてくれる」「晩と朝で銀貨1枚×2名」「はい、銀貨8枚」

「部屋は2階2の1」「晩飯は何時から18時から20時迄」

「荷物置いたら出かける、晩飯には戻る」荷物替わりに携行食の袋と

兵隊の下着を詰め込んで、超小型カメラをセット、出かける。

ーーー

 司令官、指揮官など2~300人程が空中に浮いている。

100人隊長以上で捕獲したので、出兵は2万以上になる、

宿に行く前に放置して置いたものだが、助け様とする者は少数、

群衆に取り囲まれ、見上げられ、嘲られ、揶揄されている。

 城門から身形の良い一団が現れた

「お前達はここで何をしておる」

「御前である」慌てた側用人が声を上げる。

通常はここで始まるのだが、王も余裕が無い程の激怒の様だ

「そこの素っ裸が伯父上か?、負けたのか?」

「あ、や、それは…戦はしておらん、する前にこの有様っじゃ」

「さっさと犯人を捕まえて八つ裂きにして、もう一度出かけよ!」

 その声が終わると同時に[これが王様かいククク]と声が聞こえる

[こりゃ駄目だわ、この国終わるハハハ]

[状況も理解できないのかなヒャッハー]

[まだ、戦うだってフフフ]

「ねー、これ止める家臣さんいらっしゃるー?]

「ぶ、無礼な奴…、勝手な事言いおる」「何処だ、探せ」

「サバザバザザザーーー」「ギャー」「冷たい」「痛い」「溺れるー」

王の発言に被せる様に、上空5mから堀に落ちてゆく士官達

気が付けば、士官達の替わりに王族、大臣が上空にいる、マッパで…

[王様を助けたいと思う方は拍手~~、あれ?居ないの!]

[王様の要らない人、拍手~~]遠慮がちに始まり、次第に大きく、

そして、「ウオ~~~」と地響きの様な歓声!

[はいはい最後のショータイム、お城を消してみましょうか]

[では目を瞑って、ほらー、見てる奴の目、くり抜くよ]

[はいはい、目を瞑ってね、今開けると目が焼けるよ]

[3,2,1、[収納(城郭)]はい目を開けて]「パチパチ×2」

「・・・」、城郭、軍事施設、教会も消えた、裸の主達を残して…

[私達も消えるけど、またショーが見たかったら王様殺さないでね]

[3,2,1,ポン]声が消えた後、民衆と王族は互いに葛藤、

民衆は今までの仕返しがしたい、王族は命令したい、搾り取りたい

だが…、だが…、一部の兵や城の小物が逃げ始めると、皆動き出す、

堰を切った様に、民衆も家に篭り戸を閉ざす…

 グラスカメラOFF

街の門から、兵や馬子が戻り始め、更地になった王城を見て…

帰る当ての有る者は去ってゆく、民家の戸を叩く者も…

助けも無く、略奪も出来ず、帰る場所も無く、王族に目を向けて、

騒ぐ王族を見て、結局無視し、放置して去ってゆく…、の繰り返し

日が暮れる頃、荒地に王族を見た。

ーーー

 「王様達を助け様とする人いないし…」食事時に広場の話をしてる

「見た見た、消えるとこ見た」

「嘘つけ、消えた跡を見たんだろが」

「3,2,1、目を開けて、違いね~ワハハ」先の心配より今の幸せ、

家や街、家族に戦火が及ばぬ今回は幸いなのだ。

 カメラの記録に物色も無く、比較的に安全な様だ。

「君の親兄弟や国の状況を、できる限りありのまま教えて欲しい」

姫が疲れた様なので[クリーン(風呂上り)][リフレッシュ]

「気持ちよく暖かい」もじもじしてベッドに上がらない「どうした?」

「一人が怖いんです…」前夜の事を思いだし「おいで」[スリープ]

自分にも掛けて熟睡、夢の中へ

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