第28話 殺戮の饗宴①

我の名前はダンジョンマスター


スケルトンを作るために奮闘中だ。


とりあえず指定した手ごろな村の近くにある


森に入り口を出現させた。


さて、狩りの時間だ……。




うむ、順調だな。


我は、森に迷い込んだであろう村人を捕獲していた。


コボルトは役に立った。


名誉挽回と言わんばかりに外へと飛び出し、村人を捕獲してきた。


「素晴らしい!」


我は跪くコボルトの頭を撫でてやる。

尻尾を振って喜んでいる。


「ふぅむ、これが人間か……。」


我は集めた人間たちを見回す。

人間はこちらを怯えた表情で見ている。


全員に、口に布を突っ込んでいるから喋れないであろう。

モゴモゴと口を動かしながら

ある者は、嗚咽交じりに泣きじゃくり

またある者は、運命と諦めたのか放心状態だ。

貴重な外の情報源達だ、すぐ殺してしまうのは惜しい。


「さて、どうしたものか……?」


我は辺りを見渡す、1、2、3……。

何人いるか数えてみる。

合計8人か…。まだ足りんな……。


「とりあえず貴様、その奇怪な格好のやつ」

我は、一番をしている若い男に声を掛ける。

他の村人達と違い、身につけているものが全然違う。中々細かい造りの

服だ。


我はゴブリンに目をやり、手で合図する。


ゴブリン達はその男を我の前まで引きずり持ってくる。


引きずり出された男は我を睨みつけてくる。


「威勢がいい……、貴様からにしよう。」


我は、口を塞いでいた布切れを取り外してやる。


「早くここから解放しろ!!化け物!!!!」


若い男が威勢よく我に、噛みついてきた。


「おおっ痛い痛い。」

痛くも痒くもないがわざとらしく言う。

噛みつく力を緩めない若い男、我はそいつに噛みつかれた腕を

ゆっくりと上へ上へとあげる。

それでもまだ噛みつき続ける男の口からは血が溢れていた。


男の足が地面から浮き始めた時、そろそろ煩わしく感じた。

「ふむっ、飽きた……。」

我は、力いっぱい男を地面へと叩きつける。


「ガハッ……。」


頭から地面に叩きつけられ、口から吐血する若い男。

そのままピクピクとしばらくした後、気絶したのか動かなくなった。


「次―――ッ」


わざと大げさにやったおかげか、他の村人たちは大人しく我に従う。


そうだ、恐怖だ―――


恐怖が足りなかったのだ―――


圧倒的な力の前に―――なすすべもなく惨たらしく殺してやることにしよう。


我は、呼び出した人間を前に立たせた。

その人間の頭を掴む

軽々と頭ごと掴み持ち上げてみる。

人間はジタバタと足をばたつかせながら抵抗してきた。

さぁ、これからどうするか―――

そんな事を考えていると……。

グシャリと鈍い音を立てて、拉げて頭が潰れてしまった。

頭を失った人間の形をしたモノは我の手から崩れるように地面へと落ちる。


「うむ、力加減が分からん……こんなに脆いのか人間とは?」


人間たちは恐怖で支配されていた。怯えきっている。恐怖の感情が

我に伝わる。


「ふむっ、おいゴブリンよこの死体を墓地へ埋葬しておけ―――」

これでとりあえず1体はスケルトンが呼べるな。

指示を出されたゴブリンは我の目の前にいる死体の足を引っ張り洞窟の奥に作った。

墓地へと運び込んでいく。


「さてさて、じゃあ次はお前にしよう―――。」

我はもう一人のをした若い女に狙いを定めた。


「うむっ、よく見ると異界の書物でこのような絵があったな……。」

我はさっき気絶した男と女を見比べてみる。

「なるほど、お主ら迷い人というやつだな……。なるほどこれが制服というやつか」

我は、書物で学んだモノを思い出していた。

学校という教育機関で学ぶ若い人間たちがそこには沢山いるらしい。

なんとも素晴らしいではないか、まだ他にもいるということかもしれない。


我は、その女の口の布切れを取り除いてやる。


「さぁ、女……。喋れ―――。」


恐怖に怯えた表情、全身が震え、唇も真っ青だ。

目元が黒い墨のようなもので滲んでいる。

絶えず目元からは涙が溢れ出していた。


「あそこに倒れている男と他に何人いる?―――あと何人だ??」

我は女に問う。


「あっあぁ、あと二人ですッ……どうか命だけはたっ助けてください―――。」

嗚咽交じりに泣きじゃくりながら命乞いをする。


「うむっ、考えておこう―――。」


あと二人か……思ったより少ないではないか?書物では何十人もいると書いてあった。残念だ、あぁ残念。我は女に興味をなくした。

ゴブリン達が、ざわついている。


ゴブリン達は、若い女を見て興奮しているようだ。

「なんだ、お前たち?遊びたいのか?」

我は、働き者のゴブリン達、褒美をどうするか考えていた。


「うむ、ちょうどいい。ゴブリン達よ。その女を好きにするがいい。」

ゴブリンは好色だと書物で読んだ。きっと喜ぶに違いない。


「ギャッギャッ!主様!最高~!」

ゴブリン達は女の足を引っ張ってずるずると運びだす。

自分たちの寝床へと運んで行くようだ。


「うむ、ほどほどに遊ぶがよい。」

「冬矢ぁぁあぁあぁ―――助けてぇ――――!!!」

気絶している男の方へ手を伸ばしながら助けを求める女。

その声に呼応するように、気絶していた男が目を覚ます。

「なっ……夏美……。くっそぉおぉ―――。」

若い男はゆっくりと立ち上がり、我へと向かってくる。

「ほぅ、人間にしては胆力があるではないか?」

我は、片手で殴りかかって来る若い男の頭を押さえつける。

「ぐっぬぬぬっ、ちくしょっ――!!!夏美を返せッ!!!」

「ほぅ、あの女はお前の物か?」

我は男に問う。

「うむ、ではこうしよう。」

我は男は嬲り殺して、女はゴブリン達に与えてやることにした。

「しかし、つまらんなぁ……。こうも張り合いがないと……。」

若い男は、頭を押さえつけられてもなお、ジタバタと抵抗している。

「おい、人間よ?お遊びは終わりにしようではないか?次は我が遊ぶ番だ。」

我は男の頭を軽く掴み。壁に向かって軽々と投げる。

「ふむ、今度は力加減は絶妙に調整できた。」

壁に叩きつけられた男は、口から大量の血を吐いている。


「そうであった。この殺風景な壁に装飾を施すとしよう!」


我ながら名案だ。我は壁に叩きつけられた男の頭を軽く掴み。

血だらけの顔を壁に押し付けながらお絵描きを始めた。

「なるほど、中々に使い心地が良い。いい筆だ、良い色だ。」

新鮮な血が、鮮やかな色で壁を彩っていく―――

男は力なく項垂れている。うむ、死んでしまったか…。

これでは最後の仕上げの血が足りぬではないか……

我は横に目をやる。ちょうどよい形の鋭利な岩が飛び出していた。

「ほぅ、我はついている……。」

まだ死んだばかりの男だ。新鮮な血が流れている。

我は粋が良いうちに、最後の仕上げ用の血を用意する事にした。

グシャリと鈍い音と共に、男の腹からは大量の鮮血が溢れ出す。

我はそれを指につけて仕上げの絵を描き上げる。


「うむ、上出来だ……。良い仕上がりだ。」


我は、絵をみて満足した。満足したので血を払い、村人たちの元へと向かう。

死体は、ゴブリン共に指示をして、墓場に運ばせた。













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