12:決着

「わかったわ。地雷を爆発させるのは、私に任せて」


 正直、不安は残る。

 アカリが短剣を投げ、それを地雷に直撃させなければ爆発は起きないからだ。


 エイトと出会った当初のアカリであれば、こんな大役は絶対に受けたくなかっただろう。


 だけど、今は違う。もう迷わないと……戦い続けると決めたから。


 二人は同時にグロスゴーレムに向かって走った。

 グロスゴーレムは、腕を斬られた恨みを晴らす勢いで、エイトに向かって残った腕を振り下ろすが、エイトはそれを軽やかに躱し、振り下ろされた腕を伝って、核に向かい一直線に走り、アカリもそれに続く。

 核に到着したエイトは、作戦通り地雷を核の亀裂の奥深くに設置し、後ろに飛びのいた。


「今だ! アカリ!」


 合図と同時に、アカリは地雷に向かって短剣を投げた。


 絶対に勝って生き残るんだ、という強い意志を持って投げられた短剣は、一直線に地雷に向かい、直撃した。


 瞬間、周囲に轟音をまき散らしながら地雷は爆発した。

 吹き付ける爆風と熱風。アカリは吹き飛ばされ地面に叩きつけられそうになったが、エイトが飛ばされるアカリを抱きかかえ、地面に着地してくれたおかげでそうはならなかった。


周囲には細かい瓦礫が飛び散っている音が聞こえるが、熱風で目が開けないためそれを確認することができない。


 しばらくそのままの状態でいると、辺りは静寂に包まれた。


「アカリ。見てごらん」


 静寂を破ったエイトのその声を聴いて目を開けると、そこには爆発によって核を破壊されたグロスゴーレムが、身体を砂のようにして崩壊していく姿があった。

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