12:決着
「わかったわ。地雷を爆発させるのは、私に任せて」
正直、不安は残る。
アカリが短剣を投げ、それを地雷に直撃させなければ爆発は起きないからだ。
エイトと出会った当初のアカリであれば、こんな大役は絶対に受けたくなかっただろう。
だけど、今は違う。もう迷わないと……戦い続けると決めたから。
二人は同時にグロスゴーレムに向かって走った。
グロスゴーレムは、腕を斬られた恨みを晴らす勢いで、エイトに向かって残った腕を振り下ろすが、エイトはそれを軽やかに躱し、振り下ろされた腕を伝って、核に向かい一直線に走り、アカリもそれに続く。
核に到着したエイトは、作戦通り地雷を核の亀裂の奥深くに設置し、後ろに飛びのいた。
「今だ! アカリ!」
合図と同時に、アカリは地雷に向かって短剣を投げた。
絶対に勝って生き残るんだ、という強い意志を持って投げられた短剣は、一直線に地雷に向かい、直撃した。
瞬間、周囲に轟音をまき散らしながら地雷は爆発した。
吹き付ける爆風と熱風。アカリは吹き飛ばされ地面に叩きつけられそうになったが、エイトが飛ばされるアカリを抱きかかえ、地面に着地してくれたおかげでそうはならなかった。
周囲には細かい瓦礫が飛び散っている音が聞こえるが、熱風で目が開けないためそれを確認することができない。
しばらくそのままの状態でいると、辺りは静寂に包まれた。
「アカリ。見てごらん」
静寂を破ったエイトのその声を聴いて目を開けると、そこには爆発によって核を破壊されたグロスゴーレムが、身体を砂のようにして崩壊していく姿があった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます