第24話 ノート

今日からこのノートには何を殺したか、どのように殺し方について記録していこうと思う。

なぜこんなことをするかと聞かれたら、忘れないようにする為と答える。

このノートを拾った人の為にまずは自己紹介をしよう。

私は殺し屋の四井 なぎさという者だ。

殺し屋の中では「紅の硬直」と言われている。

この呼び名は気に入ってはいないが、今ではこの名で呼ばれないとしっくりこないと感じる。

私がなぜ殺し屋になったかを話そう。

それは普通の生活が送りたかったからだ。

あの頃は貧乏で学校にも通えなかった私は普通の生活を求めていた。

そんな時に私は買われ、殺しを学ばされた。最初は辛かったが、いつしか普通の生活を送れるようになった。

殺しという仕事を除いては。

まあ自己紹介はここまでとして、これを拾われて拾った者を殺すか、私が警察に捕まるか…

その時の気分によっては見逃す可能性もあるな。

とにかく私から逃げろと言っておこう。


ここからは殺しの記録をしていく。

気分が悪くなりそうと思うなら今すぐこのノートを閉じろ。

それでは記録を始めよう。


4月1日

殺したもの 犬

今回は初めての殺し屋任務という事で、ある家の飼い犬を殺すことになった。

その犬は大型犬で用心棒の役割をしているようだ。

この犬はお菓子やらでつれなさそうだった。

まず最初に犬の口をガムテープでぐるぐる巻きにした。

ロープで縛り上げ、犬を連れて家から出て、山奥で殺した。

殺し方はナイフでグサッと1発だ。

血が沢山溢れ出していた。

可哀想だが仕事だから仕方がない。

私は犬に手を合わせた。



俺はひたすらこのノートを読み続けた。

先生の悲しく辛い人生を朝まで読み続けた。

この先生を助けたいなんて思う俺は間違っているだろうか?

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