第20話 痛み、怒りそしてrewrite

俺はナイフを手に持ち、お腹に突き刺した。

尊狗の痛みをやっと感じることが出来た。

この痛みに耐えて俺に話してくれたことに涙が出てくる。

血がどんどん流れてくる感覚が伝わる。


「もう…これで…」


「rewrite能力を消費しますか?」


「なんで…呼んでもないのに…出てくるんだ?」


「あなたがピンチだからです。」


「確かに…このままじゃ死ぬな。でも…それでいいんだ。」


「諦めるんですか?あと3回も残っているのに。」


「別に…いいんだよ。ゲホッゲホッ…使い切る必要なんてない。」


俺の中に怒りが湧いてきた。

諦めたくは無いけどこれしか方法がないからこうしているんだ。


「あなたのために2人は一度犠牲になったんですよ。」


「それがなんだ。」


わかってる。

例え生きている世界線になっても、紅空と尊狗が死んだ時の痛みは嘘じゃない。

あの時ちゃんと痛みを感じているんだ。

俺だって痛みを感じている。


「もっと頭を使ってください。今までのやり方を変えてください。」


「やり方を…変える?」


「そうです。rewrite能力は使い方次第では最強の武器になります。」


能力次第では最強の武器になる?

どういうことだ?


「私はもうこれ以上は言いません。あなたの好きにして下さい。」


「ゲホッゲホッ…rewriteする。何となく…わかった…ゲホッゲホッ…気がするから。rewriteする…前の世界へ…rewriteする…」


「わかりました。rewriteは残り2回です。」


俺は意識が飛ぶ寸前の所でrewriteした。

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