第12話 誓い

「ご飯できたぞ」


尊狗はそう言うと俺達をリビングへと案内した。



「母さん、この子達が今日からここに泊まる2人だ」


「ヒロくんと紅空ちゃんだよね!よろしくね!」


笑顔がとても似合う30代くらいの女性が挨拶をしてきた。

この人は尊狗のお母さんのようだ。


「「よろしくお願いします!お世話になります!」」


紅空と同時に挨拶をすると、尊狗のお母さんはとても笑っていた。



ご飯はとても美味しかった。

とても仲のいい家族だと思った。


俺もこれだけ仲が良かったらと考えてしまう。

それほど、家族仲は上手くいってないからだ。


「ヒロ、先にお風呂入ってくるね!」


そう言うと紅空は部屋から出て行った。


この島に来てから銭湯に入っていた。

だから家のお風呂はとても懐かしいような気がする。


そう思いながら、紅空がお風呂から上がるのを待った。


「ちょっと話がある」


尊狗が部屋に入って来た。

とても深刻そうな顔をしていた。


「話ってなんだ?」


「俺は告白の後すぐ蜜柑を追いかけた、そしたら来ないで優しくしないでって言ってきた」


「まさか、嫌われたって思ったのか?」


「そうだ」


「あー、きっと泣き顔を見られたくないとか、そういう感じで言ったんだと思う。」


「でも、俺と蜜柑は幼なじみで何度も泣き顔見てきたんだ」


「この年頃になってくると、そうなるんだよ。」


「なるほど、なら良かった」


「好きな人のことは何がなんでも守りきれよ。」


「わかった」


俺と尊狗はお互いに拳を軽くぶつけた。

これは男の誓いだ。

そして、俺は尊狗を信頼することにした。

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