第11話 告白
玄関を開けるとそこには蜜柑さんがいた。
顔が少し赤くなっているように見えた。
「あの、呼び出してしまってすみません!私は蜜柑って言います!」
「いいよ全然。八百屋さんの娘さんだよね?いつもありがとう。」
「そうです!こちらこそ買っていただいてありがとうございます!」
「早速だけど蜜柑さんが呼び出した理由聞かせてくれる?」
俺は理由を知っていながら、早く紅空の所に戻りたくて自分から話を持ちかけた。
「私…私ヒロさんのことが好きです、彼女さんがいるのは知っていたので今日は振られに来ました」
「うん。俺は彼女のことが好きだ。だから蜜柑さんとは付き合えない。ごめん。」
蜜柑さんの目には涙が溢れていて、今にも落ちそうだった。
「ありがとうございます、その言葉を聞けただけで良かったです!」
蜜柑さんはぎこちない笑顔を見せると、走って行った。
「話してきたぞ。」
部屋の扉を開けると、尊狗が勢い良く飛び出して行った。
多分蜜柑さんの後を追いかけたんだろう。
「紅空、特に何も無かったか?」
「うん!大丈夫だったよ!」
紅空は明るい表情を見せた。
「それで、告白はどうだったの?」
じっと見つめてくる顔はとても可愛かった。
「断った。俺には紅空がいるからな!」
俺はそう言うと、紅空を抱きしめた。
いつもはこんなことしないのに何故だろうと自分でも驚きながらギュッと抱きしめた。
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