第10話 尊狗

なんだか紅空の様子がおかしい。

宿を出る準備をしているだけなのに、ソワソワしている。

何故だろう?

でも可愛いな。


「紅空どうかしたか?」


「なんでもないよ〜」


その言葉に嘘を感じた。


「そういえば、名前なんて言うんだ?」


「俺の名前は佐合さごう尊狗とうとくだ」


「尊狗って珍しい名前だな。俺は高佐たかさヒロだ。それであそこにいるのが、実里みのり紅空だ。」


「そうか」


俺は鞄のチャックをシュッと閉めた。


「よし、こっちは準備できたぞ!」


「私も準備出来た!」


「なら行くか、ついてこい」


俺達は尊狗の後について行った。



「ここが俺の家だ」


そこにあったのは、2階建ての一軒家だった。

外にはちょっとした庭があり、少し大きめのお家だ。


「いい家だな。」


「だろ、入れよ」


俺達は家の中へと入っていった。



「ここの部屋使えよ」


案内された部屋はダブルベットがある部屋だった。


「ここって普段はどんな感じで使ってる部屋なんだ?」


「ここは従兄弟が来た時ようだ」


「そっか。」


ダブルベットを使うのは初めてで、しかも紅空と一緒と思うと緊張して眠れなくなる気がした。


「荷物置いてヒロは家の前に出ろ、もう蜜柑がついてるはずだ」


「わかった。紅空を頼んだ。」


俺はそう言うとその部屋を後にした。

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