第4話 デート
今日は紅空とデートの日だから、俺は朝から機嫌がいい。
俺は紅空が死ぬなんてことは、もう有り得ないと思った。
そりゃ、1ヶ月も経てばそう思うだろう。
「お待たせ!」
彼女と駅前集合は俺の密かな夢だった。
それが叶ったんだから、今日はより気分が良い。
「じゃあ、行くか!」
俺達は手を繋いで、ショッピングモールへと進んで行った。
紅空とのデートは楽しい。
時間があっという間に感じる。
ショッピングモールでのデートが終わり、俺達は家から近い公園に来ていた。
この時間もゆったりしていて楽しい。
「もう時間だから帰らないと!」
時刻は21時。
ぼちぼち帰らないといけない時間だ。
「家まで送ろうか?」
「大丈夫だよ!すぐそこだし!」
「そうだよな、じゃあまた明日!」
「うん!また明日ね!」
俺は公園のベンチで紅空に手を振った。
本当はもう少し一緒にいたかったけど、それを口にすることはなかった。
紅空が家に入ったことを確認して、俺は家に帰った。
そして翌日、火災で紅空が死んだことを知った。
隣の家で火事が起こり、火が燃え移り、紅空の家が燃え、眠っていた紅空はそのまま起きることはなく亡くなったそうだ。
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