第3話 幸福と不幸と

「紅空…」


俺は泣いた。

目の前に彼女がいることが本当に嬉しかった。

そして俺は能力を信じた。

能力に感謝した。

幸福をありがとうと。


「どうしたの、ヒロ?よしよし!」


俺は紅空に髪を撫でられた。

紅空が俺に触れられることを知って、もっと泣いた。


「泣いてたら今日のデート行けないでしょ!ほら、何があったか話してみて!」


俺は全てを話した。

しかし、紅空はその事実を覚えていなかった。

それどころか、俺は普通に学校に登校したと言う。

けど、紅空は俺が話したことを信じると言ってくれた。

それがとても嬉しかった。


しかし


その嬉しさや幸福は長くは続かなかった。


1週間後に紅空が死んだんだからだ。

家に強盗が押し入り、そいつに殺された。

これはニュースにも流れていた。

そして俺はもう一度rewrite能力を使った。

残りは5回だ。



紅空が生きていることは確認できた。

前回同様にこれまでの経緯を話した。

そして今回は何かあったらすぐに連絡するように伝えた。

これで何事もなければ良いのに…

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