第31話

 それは次の日も続いて特に違いはなかった。

 しかし三日目はちょっと違っていた。

『今日はあの人が帰って話をしようとって云ってるからあんまりメッセージ送れない。ごめんね。好きだよ』

 優斗が昼食を取っているとそんなメッセージが有ってちょっとがっかりしながらもそれ以上に心配した。仕事をしていても携帯が気になるが連絡は無い。それは良いのか悪いのなのかは考えてみても優斗には解らない。そして帰るとき一応連絡をするべきなのか悩んだ。きっと送ったなら返事は有るだろう。悩んだ末優斗は一応送ってみた。

『仕事終わり。特に返信不要』

 最高に気を使った言葉。しかし直ぐに返事は有った。

『お疲れ様。気を使わなくても……取り敢えず心配しないであの人も落ち着いて話も離婚に向かって進んでる』

 茉由奈からはそんな状況を伝える説明が有った。

『解った。まあ今日は必要無いメッセージは送らないよ』

 今日は二人共スタンプを使わずに真面目に話していた。ついに明日は茉由奈が実家に戻る。あくまで身の回りの物だけを片付けるつもりだったので日にちは取ってない。夜にも茉由奈からのメッセージは無かった。

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