第21話
次の日、茉由奈は自分の住む街へ戻るが、優斗は運悪く仕事を休めずに見送る事さえも許されないので、携帯に愛してるとだけメッセージを送っていた。茉由奈はそんなメッセージを嬉しいそうに事あるごとに読み返しいてお守りの様にして帰った。
これで再び二人の距離は遠く離れてしまったが、心は今までよりも直ぐ近くに有った。優斗の仕事が終わると茉由奈から無事に到着したとのメッセージと共に愛してるとの返事が有った。
それから二人は昨日の重く暗い話ではなく他愛も無い……傍から見ればどうでも良い様な事をメッセージで会話していた。直ぐに既読、返信なので電話の方が便利な気がしながらも続けていると、夜もふけて明日も仕事の優斗が眠ろうかと思っていた頃、茉由奈の方から既読は付いたが返信が帰らなくなった。
十数分が過ぎて眠ってしまったのかと思っていると返事が有った。
『旦那が帰った。今から話す』
状況説明だけで、それから優斗がメッセージを送っても既読は付くことが無かった。今日も普通に仕事をした優斗は眠いし、明日の仕事にも響くがそんな事くらいで眠っていられるような状況に無い。
ずっと携帯とにらめっこするだけの時間が過ぎる。一秒が一分が一時間が恐ろしいほどに終わらない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます