朝の曲

優雅にクラシックで朝目を覚ます。


――なんてことはない。


朝は戦場だ。ラスボスは時間。

まず第一の敵から強すぎる。

そいつの名は布団という。

私を離そうとしてくれない。

私はついついそいつの罠に引っ掛かってしまい、ようやく出られた頃には五分十分経過した後だ。

また勝てなかった。くそう。

私は弱い自分に毒づきながら洗面所へ向かう。

髪を上げ顔を洗い、朝の怠そうな自分の顔とご対面。


まるでクラシックが似合うような顔ではない。


朝のBGMなど決まっている。

戦闘アニメのオープニングから始まり、その間にスキンケア、化粧、朝ご飯を済ませる。

脳内でリピートしながら終わらせた後は、服を着替えて玄関を出る。


玄関を出ればそこはまた変わったバトルフィールド。

脳内BGMは戦闘曲へ変わり、いざゆかん、人混みの中へ。


クラシックなんて朝に聞けるものか。

きっとそんなことをしたら、彼は布団の次の敵になる。

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