初めての肉
森を彷徨うこと数日。
いろんなことが分かった。まず私はマナを食べることで体内にマナを溜め大きくなっていくのである。そして取り込んだマナの色によって強化されるのである、例として俊敏性が上がったのは恐らく薄っすらと緑色に染まった森のマナを取り込んだからだと思う。
マナは森の奥に進むほど色が濃くなっていく。しかしそれと同時に定期的にちょっかいをかけてくる他の魔物のサイズが大きくなってきてそう易々と奥には進めなかった。
私は今初めて肉を食べている。そう捕食したのである。遡ること半日、毎日のように草や木の実を取り込んでいると取り合いになることがある。そしてその時もまた同じ物を食べる魔物と奪い合っていた。奴らは群れで来るためほとんどとられてしまった。このままとられるものかと、口に葉っぱを咥えてる一匹に狙いを定め体当たりをした。そして戦いの幕は上がった。
やはり周りに仲間もいたのが悪かったのか七匹に連続で頭突きをされた、やられてばかりではない。頭突きをした時に相手の角に張り付いてみせた。そして1番の武器である消化液を使ってじわじわと溶かしていった。やがて顔を覆って、マナを取り込めないで窒息することを狙っていった。激しく抵抗する相手によって木に何度も打ちつけられたが、だんだん動きが鈍くなっていき、ついに動きを止めた。
体の一部がすり減ったものの、肉が戦利品として手に入ったのは大きなことだと思う。含まれるマナの量が同じ量の草よりも多いのである。食べてみると草とは別の美味しさを感じた、たまには肉もありかもしれない。
体が元の大きさよりも大きくなった。すり減った分も治した上でさらに成長できた。
食事が回復になるようだ。
それから数ヶ月、群れと出会うたびに一匹食べることを繰り返していると、体の色はさらに深まり、サイズも大きく、より素早くなっていた。
スライムな人生 昼間真昼 @aru-9786
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