宇宙の中の



無感情に蹲っている宇宙の一部が、取り残されている。

気泡を描き、砂の上。

見たままの描写じゃ駄目だと思ったから。

感受性を引き伸ばした偽装じゃ面白くないから。

孤独をかって、無を喰らう。




春が来て夏が来て、

そうして廻る季節の中で溢れ出してしまった煌めきは、

いったい、どこに行ってしまうのだろうか、

春の寂しさを、夏の猛毒を、秋の焦燥を、冬の均衡を、僕らはどこにしまい込めば良いのだろうか、またやってくれば思い出す感情は、もはや僕のものではない、

のか、

ただの“季節感”として、風物詩として、変化してしまうのか、

季節の変わり目で風がそよいだ、また、季節が廻る



小さな宇宙を両手に抱えて、空を砕いた。

砕けたカケラは光になって、いま、小惑星がうまれ、小惑星がしにました。

それがこの世の大原則。

生死の輪廻というもの。

そして、この喉の奥からあふれたビー玉も。

さよならイマジナリーフレンド。

消えたことが、理論を理解した証。

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サンタは虚空の宵の中 空寝ひつじ @sorane_sheep

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