第4話 薬草の魔女、クロエ
食堂のステンドグラスから差し込む朝日がまぶしい。僕はアリスとのお茶会で寝てしまったようだ。
それはそうと、仕事はこなさねばならない。
今日は天気がいいので庭仕事をすることにした。
長靴と軍手を用意しヘイリーが飛行練習をする庭へ出た。ここの庭は広い。バラが多く、入り組んだつくりになっている。
どこから手を付けていいものか悩んだが、玄関近くから取り掛かることにした。
「あら、お兄さん。何をしているの?」
リボンのカチューシャをした女の子が突然現れた。
「僕は、仕事で庭の手入れをしているんだ」
「ふうん、そう。じゃあ、あたしの畑も手伝ってよ」
女の子に連れられてやって来たのは『マンドラゴラの畑』だった。聞いたことがあったような……?
「いい? 勢いをつけて、引っこ抜くのよ」
言われた通りに引っこ抜いたが、出てきた顔のある植物の鳴き声を聞いた途端……意識が遠くに。
「あらあら、ここは屋敷で一番溌剌な薬草の魔女、クロエの庭だもの。普通のカブでも植えてあると思って?」
僕は遠い意識の中、館へ運ばれていくのを感じた。
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