第14話 スタンピード

 


 スタンピードって何??土石流みたいな災害ってことかな?


「私はこの通り大丈夫ですけど、スタンピードってどんな災害なんですか?」


 ソフィーさんが、そんな事も知らないの?と言わんばかりの顔をしてたので申し訳無さがすごかった。


 スタンピードは、モンスターの集団が同じ方向に突っ込んでいく現象で、敵の強さによっては街一つ余裕で潰されるらしい。そりゃあんなに急いで走ってきてくれるよ…


 折角ソラと私のマイホームを手に入れた矢先にコレって、私ってツイてないなぁ…


「俺とソフィーは、ギルドで討伐の隊に入ってくるから、嬢ちゃんは中央の広場にいって大人しく待ってろよ!」


 と言ってグレイさんがすごい速さで走っていった。


「私も行ってきますね、帰りに渡そうと思ってたのですが、もう一つの件のことでこちらをお渡ししに来ました」


 ソフィーさんから本を二冊渡してもらった。あの時言ってた本のことか…ほんとに律儀だなぁ…


「あ、ありがとうございます。ソフィーさんも気をつけてくださいね!」


「はい、ありがとうございます。では行ってきますね」


 ソフィーさんも走って去っていった。


 とりあえず私は中央広場に向かおう!


「ソラ! 商品全部片付けて急いで中央広場に行こう!」


 と言うと、ソラは外に出て「ウォン! ウォン!」とこっちに吠えてきた。


 うんうん、急がないとね。ソフィーさんから借りた本も付け焼き刃でも、もしものために知識として入れておきたいし!


「ウォン! ウォン!」


 もう商品入れ終わるからもうちょっと待ってね~!


「ウォン! ウォン!」


「わかってる! 急ぐからもうちょっと待って!」


 そんなに急かさなくてもいいじゃん…!


「グルルルルルルル」


「ソラ?え、何?」


 ソラが私の方ではなく、左を向いてなにかに吠えていた。


 荷物を丁度片付け終わり外に出たら、奥の方から子供が一人歩いてきていた。


 子供がこんな時間に?少し怪しさもあったけど親とはぐれてしまったなら一緒に中央広場に連れて行こう。


 と思っていたら、ブランくんだった。


「ブランくんだよね?今スタンピードっていうモンスターの集団移動が始まってるらしいから急いで中央広場に行こう?」


「先程ぶりです、僕は少しすることがありますので天音様は先に行っててください。後はこのネックレスをお渡ししておこうかと思いまして、これに魔力を込めると防御シールドが張れるので良ければ使ってください。」


 魔力を込めるってことは魔道具!? つまり高いんじゃ…


「これ絶対高いよね!? こんなの受け取れないよ!」


 グランくんはニコッとして「命あってのお金ですよ。給料期待しておきます。」と言って夜の静寂しじまに消えていった。


 命あっての物種ってことね…確かにそうだよね。生きて頑張ってお金稼いでお礼しなきゃ。


「ソラ、行こう!」


「ウォフ!」


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