第7話 何をするか

 


 朝食を終えて、みんながお腹いっぱいで椅子にもたれかかった状態でグレイさんたちがこれからどうするのかと聞いてきた。


「私は、ソラと一緒に住めれば大丈夫なのでとりあえずお金を稼いでいきたいなと思ってます。そのために何をするべきなのかはまだ決めかねているんですけど、なにかおすすめの仕事とかは有りませんか?」


 私の第一目標は安定したソラとの生活だ。とは言え、私は今はソフィーさんとグレイさんにはだいぶ慣れてきて普通に話せるようになってきたが、飲食店で働くとか冒険者でモンスターと戦って生きていくとかは絶対できないと思ってるから、本気で悩んでいる…


 ソフィーさんとグレイさんが少し考えている所でふと思った。


「あの、今日食べた料理が売られていたら購入しますか?」


 私が考えたのは、私のおばあちゃんが農家でやっていた無人販売所だ。あれなら私は接客しなくても価格を設定しておいて放置しているだけで売れていくっていう売り方で人は関係ない。


「確かにあの料理を私が渡した金額に近いのであれば購入しますね。破格ですし、何しろ他の料理店ではなかなか食べられないほど美味しいですから」


「俺も買うな!嬢ちゃんには是非飯屋を作って欲しいと思うくらいうまかった!」


 めちゃくちゃ褒めてくれるけど、やっぱり調味料様様だなぁ…


「露店を出すにあたって、必ずしなければならないこととかってありますか?」


 後から知らなかったではこの世界では死ぬかもしれないし、前よりも慎重にしないとと前回の食器で学んだ。


 下手なものを出せば貴族が居るなら変なことされてもおかしくはないし気をつけないとね!


「まずは商品を売ることなので商業ギルドに登録しないといけません。私も詳しくはありませんが登録した後に、貸店舗や露店の話が出るらしいのでそれから決めるようになると思います。」


「わかりました!そこ以外では特に有りませんか?」


「そうですね、それ以外の詳しい話は私はわからないので専門の方に聞いたほうがいいですね。ここのギルドの職員さんはいい人が多いと有名なので、安心してもいいですよ。」


 それならよかった…とは言え面接みたいで少し緊張するなぁ…


「俺の知り合いがこの街で商業ギルドの職員をやってるんだが、よかったら一緒についていってやろうか?」


 棚から牡丹餅ぼたもちすぎる言葉にポカンと口を開けて固まってしまった。


「グレイの知り合いで商業ギルド……ってバイセルさんじゃないですか!確かにいい人ですが、素人には厳しいのでおすすめできません!」


 怖い人なのかな…タダでさえ人見知りなのに圧が強い人は苦手すぎて潰れちゃうよ…


「んなこと言うなよ。それはあいつなりに考えての行動なんだからそれで折れるようなら他でもやっていけねぇって。」


 グレイさんが真剣に言う姿を見て、私のことも考えていってくれてるしバイセルさんって人は信用できる人なんだろうなって感じた。


 ソラが近くに来て少し心配してくれていた。よし…!


「た、確かに少し怖くはありますが…グレイさんの知り合いですし私はぜひお願いしたいです!よろしくお願いします!」


「そうですか…ですが、それなら私も同行します。一応心配ではありますので。」


「わかった。じゃあ俺は外で待ってるから、支度が済んだら宿屋の外に来てくれ!」


 グレイさんが手をひらひらと外へ出ていった。


 ソラとの生活のために頑張るぞ!

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