第2話 夏

季節は夏になりました。


私は、仕事のやり方を覚えてきて、要領がよくなりました。

前よりもたくさんの食べ物を作ることができるようになりました。

先輩も褒めてくれます。

私も自信がついてきました。


先輩に褒めてもらえたことが嬉しくて、私はつい、あまのじゃくなことを言ってしまいました。


「でも、私、みんなよりたくさん作れていない……」


「みんなと比べる必要はありませんよ。もし、比べたいのであれば、過去のあなたと比べたらどうですか。ずっと同じ、ってことはないですよ。何事も変わり続ける。そのことを忘れてはいけませんよ。あなたは、以前のあなたより、たくさん作れるようになりました」


そっか、周りの人と比べちゃだめなんだ。

私より上の人って絶対いるからね。

だから、人と比べている間は、いつまでも幸せになれない。


私は私。

比べるのなら、過去の私と比べよう。

過去の私と比べて、良くなっているのであれば、それでいい。

たとえ、私の成長が周りよりも遅くても、私は一歩一歩、成長している。

私の頑張りは、私が認めてあげないとね。


先輩はいつも私を支えてくれています。

先輩がいるから、私は私として頑張れていると思います。



自然の中でのお仕事は、やっぱり周りの自然の様子を感じ取ることができるのが魅力です。

春よりももっとたくさんの、いろいろな種類の生き物たちを見かけるようになりました。

そして、虫さんたちも、どんどん成長していました。

青虫は蝶になりました。

蝉も地面の中から現れて、空を飛び回っています。

こんな小さな虫さんたちも成長しているのです。


私も頑張らないと!


自然の中でのお仕事は、とっても魅力的なんだけど、とっても危険な面もあります。

特に、台風が恐いです。


ある日、強い風に飛ばされそうになった時、先輩がしっかり手を握っていてくれました。

なので、私は飛ばされないで済みました。

先輩がいなかったら、私は行方不明になっていたかもしれません。

先輩は、私の心だけではなく、私の体も支えてくれたのです。


私は、先輩といつまでもいつまでも、ずっとずっと一緒にいたいと思いました。


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