魔界のダンジョン発見
俺が師匠と全く同じことをしていたということに気付かされ、真面目に凹んだりもありながら俺達は空の上を飛び続ける。
悪魔の街は比較的見つかりやすいのだが、見つからない時はマジで見つからない。
一応、探索用の黒鳥ちゃん(小さいバージョン)も飛ばしては居るんだけどね。それでも、見つからない時は見つからないのである。
規則性があったらかなり楽なのだが、今の所建てられている街に規則性を感じない。
デモットにも聞いてみたが、流石にそれは分からなかった。
地道に探して潰すしかない。面倒ではあるが、これが確実で1番早いのである。
「えーと、これがこれで、これとこれを合わせるとこうなって........合ってますかね?」
「合ってるぞ。凄いじゃないかデモット。魔術を覚えて一ヶ月足らずで、オリジナルの第五級魔術を作れるなんて。これは........造形だけ悪魔の形に似せた魔術か。友達が増えたな」
「ジークさんの悪魔君さんには、遠く及ばない戦闘力をしてますけどね。ちなみに、魔法陣はどんな感じなんですか?」
「こんな感じ」
デモットに悪魔君の魔法陣を見せて欲しいと言われたので、俺は行使はせずに魔法陣を見せる。
こうして第五級魔術と比べると、情報量が桁違いだな。
第九級魔術と第五級魔術。
四つも階級が違うと、最早別物である。
「うわぁ........細すぎて今の俺にはどう足掻いても使えないですよ。と言うか、なんかほかの魔術も組み込まれてませんか?」
「魔術に魔術を使わせようとして、こうなった。滅茶苦茶魔力を消費するから、デモットの今の魔力量じゃ5分も維持できないぞ」
「魔術に魔術を使わせる........?ちょっと何を言っているのか理解できないです」
「例を挙げると、闇狼に魔術を使わせるって事だ」
「なるほど。魔術はそんなことも出来るんですね。てっきり、そういう魔術だとばかり思ってました。自己判断して、状況に合わせて魔術使い分ける魔術........頭がおかしくなりそうです」
デモットはそう言いながら、黒鳥ちゃんの上で自分の分身とも言える悪魔の形をした間術を行使する。
すると、悪魔くんよりも悪魔らしい姿の悪魔(魔術)が出てきた。
やっぱり自分の姿と言うだけあって、作り込みが細かいな。
俺が作った悪魔君は、物語の挿絵に使われていたものをモデルに作っているのに対して、こちらは本物な悪魔をモデルに作られている。
どちらが悪魔らしいと言えば、後者になるだろう。
あれだ、トゥーンみたいにデフォルメされているのが俺の使う悪魔君と言うイメージかな。
「かなりそっくりね。色が黒一色だから間違えないけど、視界の悪い夜や、影だけを見たら間違えそうだわ」
「確かに間違えそうだな。パッと見ただけじゃ魔力の塊かどうかは判断できないし」
「おぉー!!上手くいった!!これからよろしく!!」
「........(よろしくお願いします)」
デモットにそっくりな分身悪魔は主人の前に現れると、ぺこりと頭を下げる。
きっといい話し相手になってくれるだろう。見た目は同じとは言えど、中身は別物。
性格も違えば考えも違うのである。
「色々と仕込めば、共に戦ってくれる相棒になれそうだな。この魔術は戦い方を学ぶし、エレノアが近接格闘とか教えたら凄いことになりそう」
「本体の性能的にジークの悪魔くんは越えられないけど、それなりの戦力にはなれるわね。デモットを鍛える次いでに分身も鍛えてみようかしら?」
デモットはエレノアから近接格闘の修行を付けられている。
最初は俺から魔術を教わるだけだったのだが、悪魔であるデモットは自分が強くなる楽しさを思い出したのかエレノアにも教えを乞おうとしたのだ。
もちろん、デモットの事を可愛がり始めたエレノアが断るはずもなく、毎日近接格闘の修行をしてもらっている。
デモット、結構素直に人の話を聞くから吸収も早いし教えている側も気分がいいんだよな。
しかも、その性格が素の性格なら尚更。
昔、お爺さん悪魔に色々と教えられてきたらしいし、素直に話を聞いて実行すること事最も早く強くなる方法だということに気づいているのかもしれない。
分からないところがあったら素直に聞いて、真面目に強くなろうと取り組む。
俺も前世でこんな感じの勉強をしていたら、もっと違った人生が歩めたんだろうなぁ。
「戦い方を教えたら強くなるんですか?」
「当たり前だろ?その分身は真鍋ば学ぶほど強くなる。流石に自分の体の限界を超えて強くなるのは無理だが、少なくとも今以上には強くなれるよ。そしたら戦力2倍だ。魔力配分は考えないといけないけどね」
「おぉー、一緒に頑張ろうな!!」
「........(頑張る)」
分身悪魔の背中をポンと叩いくデモットと、グッとガッツポーズをして“頑張る”とアピールする分身悪魔。
中々いいコンビになれるんじゃないか?まぁ、コンビと言っても、結局は自分一人なんだけど。
俺は、空気の読めない一言を飲み込みながら、分身悪魔と“頑張るぞー!!”と楽しそうに騒ぐデモットを優しく見守るのであった。
【分身悪魔】
悪魔君の劣化版。魔力と技術の都合上魔術も使えなければ体も脆い(悪魔くんと比べて)が、悪魔君よりもより悪魔らしい悪魔(魔術)。
モデルがデモット自身のため、瓜二つ。夜闇の中で2人を並べられたら、普通に分からないぐらい完成度が高い。(悪魔君と呼ぶと混同しそうなので“分身悪魔”と呼びます)
新たな仲間(魔術)を加え、さらに賑やかになってきた魔界の旅。
分身悪魔はデモットをモデルとして作られているためか、性格もデモットにどことなく似ていた。
俺の作る闇狼とエレノアの作る闇狼の性格が違うように、悪魔くんも使用者によって性格が変わるのである。
とは言っても、ノリが良かったりと言う根本的部分は余り変わらないのだが。
「........(ウェェェェイ!!)」
「........(ウェェェェイ!!)」
ガシ!!
両手を上げて万歳した後、お互いに手を組む悪魔君と分身悪魔。
紹介がてら悪魔君を呼んだら、どこぞの蠍ちゃんと同じような挨拶をし始めた。
ジュエルスコーピオンのクーちゃん、元気にしてるかなぁ。
心の友は今何をしているのだろうか........あれだな。多分アーランとリーシャがイチャついているのを見て、砂糖を吐き出してるな。
「ふふっ、クーちゃんを思い出すわね」
「だな。あの時もこんな感じで盛り上がってたな」
分身悪魔が終われば次はデモットの番。最初こそ悪魔君のフレンドリーさに困惑していたデモットだが、今となってはノリノリで悪魔君に付き合ってくれている。
何気にデモットもノリがいいからな。こいつ、本当に世渡りが上手い。
そんなことを思いつつ、悪魔の町はまだかなーと地上を見下ろした時であった。
ふと、視界の端に青白く光る物体を発見する。
お?もしかしてアレはみんな大好きダンジョンくんなのでは?
「エレノア、あれ、ダンジョンじゃないか?」
「........あー確かにダンジョンっぽいわね。行ってみる?」
「行かない理由がないだろ。それに、魔界に来て初めてのダンジョンだしな」
魔界で初めて見つけたダンジョン。となれば、やる事はただ一つ。
中に入って暴れ回るのだ。
経験値効率が悪そうなら、壊すかな。あ、いや、デモットのレベリングに使えそうなら残すかもしれん。
この大陸の案内人であるデモットには、強くなって欲しいし。何より今はもう完全に俺たちの弟子だ。
寿命も俺達はないんだし、ゆっくりデモットを育ててみるのもアリかもしれん。
「デモット、少し寄り道するぞ。ダンジョンを見つけた」
「了解です。行きましょう」
こうして、俺達は初めての魔界ダンジョンに向かうのであった。
後書き。
今回の被害者、魔界のダンジョン君登場。
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