7.2
この結婚話しは、数年前からあったので、クレアも知っていた。
カロルが一昨日の上司との電話で話していた、プリスが調達できなかった花とは、これを暗号で話したものである。
「クロード王子も王位を辞退されるそうです」
これはディルが担当していたほうだった。
クレアは驚かなかった。これも内々では噂があったのだ。残念ながら、こちらも回避できなかったらしい。
「クロード王子は次期皇太子の立場なのに…。それで、クロード王子の二人のお子様は…?」
クロード王子には、小学生の王女が二人いる。
カロルが重い口を開いた。
「ご家族で王室を離脱されるそうです」
「そう…」
少しの間、二人の間に沈黙が流れた。
現国王の子は三人である。上から順番に、グスタフ皇太子、シャーロット王女(クレアの祖母)、ポール王子。
クレアの祖母であるシャーロット王女と、その息子であるクレアの父は、すでに亡くなっている。
現時点では、まず、王位継承順位第一位はグスタフ皇太子だが、その二人の子と孫は王室を離脱。
シャーロット王女の孫であるクレアは、ポール王子とその子や孫よりも王位継承順位が上位となる。
つまり…。
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