旧1話

Akumazonは

まず予言のナユタのナユタが

IT企業を立ち上げる社長になった

秘書はケンジである


世の中を豊かにすることを目的に、魔法レンタルサービスをしたが

ケンジは世界を滅ぼす力であることも承知している

ケンジは世界に迷惑をかけずに妹と生きていく、そのためにバックパッカーのような放浪生活をしていた

しかし、それではお金を稼げるわけもなく、衣食住ができなければ妹のナユタに美味しいものを食べさせることはできない

 

漁師の手伝いの生活をして稼いでいるが、いつまでも続くわけじゃない

ナユタを学校に通わせて、少しでも大人になって稼げるように教えたりした

そんなケンジは、お金に困って、自分の臓器を売った、理由は、ナユタが大学生に入りたいと言ったからだ


そしてケンジは多額の保険金かけていた、ナユタはケンジが死んだあと、ハーバード大学に入学することができた


ツノつきのナユタは元々、魔法のメカニズムに詳しかった、寿命を悪魔に交換すれば、魔法をレンタルできる

それをハーバード大学から卒業して、クラウドファウンディングによって、Akumazonという子会社を設立、スマホアプリやネットやタブレット端末で、寿命をライフポイントとして使えるようにIT化したのが、魔法レンタルサービスのakumazonだ、今は世界的企業のGooole社と提携しているが、CEOを悪魔の力で脅迫したなど黒い噂も絶えない


サキュバス「社長は魂を集めてお兄様を蘇らせたとききます、どうかお慈悲を」

ケンジ「帰りなさい、社長は忙しい、そういうことだ」

私はサキュバスだ、レンタルされている

けれどその主があと残り一週間で死んでしまう

どうすればいいのかわからない

ナユタ社長「若者が道を間違えることはよくあること、だからレンタルした寿命をクーリングオフできるようにしてほしい?」

ケンジ「はい、未成年の取引だけ、寿命の返却が可能なシステムにしてほしいと」

ナユタ社長「却下です、ケンジ、クライアントにはそう伝えなさい」

ケンジ「わかりました、そのように伝えます」


サキュバス「レンタルした商品に問題があれば、ライフポイントは返却はできるが、しかしライフポイントを寿命に戻すことはできん…んがー!」

ツキタ「もういいって、十分幸せだったし、俺が死んだあと、子供たちを育ててくれるだけでも、お前に感謝してる、こんな父さんでごめんな、あと葬式はしなくていいから…」

サキュバス「そんなこというでない!お前の死ぬ姿なんぞみとうない!嫌じゃ!嫌じゃ!」

ツキタ「おいおい子供が泣いちゃうだろ…俺はさ、歌とか絵とかやってたけど、夢を見るんだ、ヨウタはギターがうまくなって、ハルコは漫画家になるんだ、二人揃ってひとつの作品を生み出してくれる、最近そんな夢ばかりを見るんだ、二人の書いた歌と絵見たかったな」


サキュバス「いやじゃいやじゃ!!」

ハルコ「あうあー!あうあー!」

ツキタ「まあ、寿命を18歳を越えたら死ぬと決まったわけないだろ、正確な寿命なんて個人差だし、あれ?なんだこれ?」

サキュバス「ううう…今度はなんじゃ、お前の遺書は要らんぞ…」

ツキタ「いや、なにか頭にこぶみたいなのがある?」

ヨウタ「…」

サキュバス「ほんとじゃ、頭を打ったのか?」

ツキタ「ハルコは?」

サキュバス「うーん、わからん、いや、なにか引っ掛かるような…」

ツキタ「まさか、ツノ付きか?」

ハルコ「あうあうあ?」


ぼくは悪魔と契約した

寿命を18歳までで終わるようにした、そのためにたくさんの作品を残した

悔いはないし、あとは子供たちが次になにかものつくりに価値を見出だしてくれたら

それはそれで幸せな人生なのだ


作るものが幸せを感じてしまっては、前のように貪欲になにか作ろうとしなくなる

やっぱり、18歳までがピークだったんだ

「昔は勢いだけで書けてたのにな」

「おぬしはおじいちゃんか、まだ死ぬと決まったわけではない、さっさと新譜をコミケに出すのじゃ!」


「早く作っても意味はないよ、十分に満足したし」

「あと6日しかないのじゃ…」


「あうあー!」

「そうだぞ、ここを押すと音が鳴るんだ」

「もう五日じゃ、乳をやっとる場合では…」


「コミケに応募してた?四日後だぞ?」

「そうじゃ!昔みたいにまた…」

「おぎゃー!」


「三日後には間に合わない、新譜は無理だよ」

「まだ間に合うのじゃ!」


「2日か、もうコミケ始まってる頃か…」

「あうあうー」


「もう帰る、やっぱり最期は静かに一緒にいればよかったのかのう…


「ぜんぜん売れんかったのう、ツキタ生きてるかの?一週間無駄にしてしまっ…子供が泣いておる…おいツキタ!?」

「おぎゃー!」

「…」


「あ、昨日がツキタの誕生日じゃった…」


サキュバスは呆然とした、涙が落ちていたが、悲しみも感じることはなかった


「そうじゃ、おしめを取り替えねばならん、ツキタは疲れて寝てるだけじゃろ」

そのあとツキタは死亡が確認された、病気でも何でもなく突然死、医者が言うには、寿命らしい


「サキュバスさん、曲間に合わなくてごめんなさい、この三年間の思い出に最後の曲です、伴奏を書く余力がなかったので、好きなトラックをサンプリングして乗せました、最後はラップになります、聞いてください、風の唄」


息吹の詩 feat.月太 breathing yutaka hirosaka♪

風よ、そよげ、風の唄

ラララ

吹雪いて、飛んでった

風よ、吹け、そよげ

ラララ

すべてが無になって流されてしまうの?


サキュバス「あやつ、あんなに自分の声で歌うのを嫌っておったのに…」

ハルコ「らうらうらー」

サキュバス「急いで作ったんじゃな」

ヨウタ「Zzz…」

サキュバス「これではラップではなく子守唄じゃのう」

ハルコ「Zzz…」

サキュバス「良い曲じゃ、嫌いではないぞ」


「…」


ナユタ「誰かが死んだ」

ケンジ「きっとレンタルした寿命を使い切ったのでしょう」

ナユタ「うん、でも生まれた」

ケンジ「生まれた?何がです?」

ナユタ「私とケンジを殺すもの」


ばしばしと頬を叩かれるツキタ

ツキタ「…」

ハルコ「あうあうあー!」

サキュバス「お前の嫌ってた葬式じゃ、盛大に祝ってやる、地獄で感謝せい」

ヨウタ「ぱぁぱ」

サキュバス「そうじゃ、お前のパパじゃ、立派に生きた男の最期、しっかり目に焼き付けとけ、ハルコ、ヨウタ」


「お主らは、詩を書いて、絵を描き」

ハルコ「あう?」

「いずれ世界を変える、予言の子じゃ」

ヨウタ「なゆた」


ケンジ「殺すものとは?」

ナユタ「ハルコとそのお兄ちゃんかな」


おわり

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