第三章 悪魔大戦【ながやまこはる×予言のナユタ続章モノ】

長山春子

新1話「サキュバスさんと漫画家志望のニート」

悪魔大戦

新akumazon エピソード1.1a

「サキュバスさんと漫画家志望のニート」


「冒険屋台(仮題)」と書かれた脚本が机に置いてある


エプロンをつけて学生たちが

あんこ味ソーダクリームが

通り行くガタイのいい外国人にウケて

不良在庫を開けて海外で大売り出しするシーンだが

男女の学生役の女優俳優たちがドラマの撮影中にトルネードに見舞われた


砂埃で衣装はズタズタに、なので替えの衣装のため、女子たちは白色のスポブラをさらしながら着替えていた

キャンピングカーにいた撮影スタッフも出演者もみんな無事らしい

ほっと安心して撮影を再開しようとしたそのとき


そのなかにエルフの少年が走り抜けて歌ってたので

9人ほどの女子高生役のアイドルが半裸で捕まえたところ

どうやら出演者もスタッフも知らない子

あまりきかない別の言語らしい


お腹がすいたらしくソフトクリームをわけたところ

とてもおいしそうに食べていた

岸田監督「ハイカーーット!」

アコヤ「ペロッ、うみゃあ!?」

すると監督はOKをだした

監督「はい、いただきましたー!」

と遠くから声がした

そして監督はモニターを急いでチェックする

岸田監督「この路線でいこう!異世界人にソフトクリームを売って練り歩く高校生たち!大ヒット間違いなしだ!」


異世界に転生してしまった

ソフトクリーム屋さんの屋台車

そして撮影クルーのみなさん

これから私たちはどうなっちゃうの?

今年の学園祭に向けて上映予定

こうご期待!


さきほどの映画部の顧問は

英語の担任先生と塾講師の面々です

私たちの大学映画部がお願いして出演してもらったのです

そしてエルフ担当をしてもらった子は

アリゾナ州のインディアン生まれのアコヤちゃん

男の子ではなくて女の子です


ざわざわ

「akumazonってシナリオ考えててさ」

「電脳映画って設定いいと思うんだけど」

そして、この映画部では監督や役者を目指す若者が

日々色々なイメージを形にしようとしてます


ツキタ「あのさ、ナガト、さっきの映画をこう使いたいんだけど」


『悪魔大戦』


異世界に転生してしまった

ソフトクリーム屋さんの屋台車

そして撮影クルーのみなさん

これから私たちはどうなっちゃうの?

今年の春、日本で公開予定こうご期待!


都会の中の電光掲示板

ツキタ「映画部だった同級生がハリウッド女優か…どんどん差がついてくな」

俺はツキタ、高校生から映画監督を目指し、今は漫画家で夢を追っていた

ツキタ「結局、映画監督にも漫画家にもなれず、なれたのは無一文のダメニートか」

手にはボツになった持ち込み原稿ネームの茶封筒を持っていた

ひゅー!

ツキタ「あ!原稿が!」

ひゅーっと風が吹いて、茶封筒が飛ばされた

ツキタ「もういいか…あーあ、俺の人生マジでゴミ…」


バッと電光掲示板が白く移り変わった

ナユタ社長「akumazonは、寿命をポイントにすれば、誰でも魔法を使えるようにするレンタルサービスです!」

電光掲示板が移り変わったのをツキタは見ていたが、スクランブル交差点にいた歩行者も足を止めて、指をさす子供や、うわなにあれ?と噂するもの、仁王立ちになって撮影するものもいた

ナユタ社長「akumazonは、みなさんの命と引き換えに夢を叶えます…」

ツキタ「ツノがついた女?」

鬼の角の生えた悪魔の社長が地球を優しく包みこんで広告は終わった


ツキタ「寿命をポイントに変えて、魔法をレンタルできます…あほくさ、なんかのエイプリルフールか?どこのバカが下手な広告を打って…」

スクランブル交差点で、スマホを見るツキタ、驚いて二度見した

ツキタ「うわ、ほんとにある、クトゥルフ召喚の魔術書、異性を魅了する魔法薬…なんだこのデタラメな商品、100%詐欺サイトだろ?」


そして場面転換

スマホ見て、カップ麺やまんが本が散乱した作業部屋に眠るツキタ、さきほどのakumazonのサイトをスワイプしていた

ツキタ「こんな魔法薬あったら、ナガトさんも俺に惚れてたのかな…」


まんまと広告に乗せられて、そのakumazonというエイプリルフールサイトを実際に眺めていたツキタは「ん?ZEiTAの新しい動画だ、見よっと」

youtuberのプッシュ通知を押した

ゼータ「akumazonは、みなさんの命と引き換えに夢を叶えます…だって!おいおいおい!うそだろー!ということで、渋谷の交差点で広告をしていた謎の企業akumazonのレビューをしていきまーす、今回もゼータと視聴者でゴーーーール!しちゃいましょう!」

ゼータというYoutuberはケツから白い煙を出してゴーーール!と叫ぶのが持ちネタ、その意味不明さとシュールさから独特な笑いを求めるファン層に好かれている

ツキタ「akumazonって今日やってたやつじゃん、てゆーか開幕ゴーーール!ってコメなんだよ笑、この人マジで面白いなぁ…才能あるわ…才能…」

面白くない人間のツキタと面白い人間のゼータ、そもそも根本的にお笑いのセンスか違うのだと、少し現実を思い出すが、今は純粋に視聴者と楽しもう

ツキタ「この人はこの人で自分の好きなことでやってる、自分も早くなにか才能を見つけないとだ、今はいち視聴者として応援しよう」


ゼータ「えー、サイトの説明文を読みましたー!結果はファーーールでした!これはイエローカードですね~、詐欺サイトの可能性大でーす!さて!このサイトは個人情報やクレジットカードは不要!普通にGoogileアカウントでアカウントがすんなり登録できちゃいました!ここは加点ゴォール!!…あ、ごめん興奮しすぎて屁でちゃった」

ツキタ「くくっ…テンション高すぎだろ笑」

ゼータ「寿命を一時間を1ptのライフポイントと交換できるみたいです!なんだそれぇ~!おいおいおい!誰か俺の右手を止めてくれー!とまんねえー!アドレナリンが止まりませーーん!ポリスメーン!!」

そしてどんどん加速していくコメント欄

ツキタ「あっはっはっは!!」

ゼータ「ゴォーーーーール!!!!………」

しーん…

ツキタ「はははー…あれ?配信止まった?」

そしてゼータはケツを向けた状態で白い煙を吹き出したまま、警察に通報されたあと自宅にて死亡が確認された


ネットニュースやトレンドに、ケツから白い煙を吹き出しながら死亡した実況者ゼータが話題トップ一位になっていた

ツキタ「は?本当にこれ…寿命をレンタルするのか?だったら長門さんを惚れさせる薬…もホンモノってことか?」


ツキタ「ダメだ!最低だ俺!」

さらにスワイプすると


ツキタ「これで愛しのハニーもイチコロの惚れ薬?」


ふわふわ~とした妄想がツキタの脳内に広がる――

ナガト「ツキタくん…わたし、ツキタくんのことが…♥️」

長門さんに惚れ薬をキメさせれば、ワンチャンものにできる可能性も微レ存…

ガンガンガンガン!

ツキタ「ダメだ!ダメだ!最っ低だ俺ァ!」

煩悩だらけの前頭葉をバシバシと叩くツキタ、さらにスマホをスワイプする

ツキタ「んん?どスケベサキュバスレンタルふわとろぷにあなメスガキツンデレロシアンつるぺた幼女入荷しました~逆バニーコスを添えて~…へえ、新作入荷したんだ」


ツキタ「ふーん、なるほど、akumazonくんはこういうのが好きなんだね…うわ!ライフポイント…500000pt!?たっっっか!」


ツキタ「って…高いのか?安いのか?わからん…」

そのあと冷静になり、厚労省のサイトで国民の平均寿命を見ていた、サーバーがやけに重かったから、たぶん見ているのは俺だけじゃないと思う


ツキタ「厚労省のサイト重すぎだろ笑、あっ出た、男性の平均寿命は…81.47年か、俺は大卒ニートでギリ60年くらいは生きれる、いやいやゼータさんみたいにゴールしちゃうから…57年くらい払えばいけるのか?」


ツキタ「現在、24歳、無職…57年支払ったら、平均年齢の81歳で死ぬと考えたら、生きれても何日持つか…最悪ぽっくり逝くよな?博打か…なんだこのチキンレース、汗やっば」


カチカチカチカチ…

ツキタ「ははは…やばいやばい、ローズSの大荒れレースに8万円擦ったときぐらい心臓やばい、どうせ死ぬなら、ゼータさんみたいに実況するか…」


『寿命60年擦って逆バニーサキュバスを買う枠』

ツキタ「これでよし!どうせこのまま生きても意味ねえもんな、うわ閲覧者1500ってやっば笑、初見さんらっしゃい!みんな俺もゴールして死ぬかもー笑」


コメントを見ると、「俺が先にぷにあな幼女をレンタルしますね」(おいバカ死ぬ気か?と返信した)と書かれていた、そうかこれは競争みたいなものだ、速くしないと…


カチカチカチカチカチカチカチカチ!

ツキタ「ぜぇ…ぜぇ…残り寿命57年分還元て、やべえわ、脇汗やばい…血の気が引いてきてるわ……あー、サキュバスの太ももに挟まれて死にたい人生だった笑…ゴォーーーーール連投コメントあざーす笑…」

カチ

ライフポイント500000pt、お買い上げいただきありがとうございます、またのご利用をお待ちしております


商品名

どスケベサキュバスレンタルふわとろぷにあなメスガキツンデレロシアンつるぺた幼女入荷しました~逆バニーコスを添えて~

消費ポイント -500000pt

所持ポイント 0pt


「またのご利用って殺す気かよ…あはは…は」

ちーん…ツキタはあまりのプレッシャーに耐えかねて死ぬように眠った、コメント欄はご冥福をお祈りしますコメントで10万を越え、総再生回数は100万を達成した、あと自分の黒歴史自作曲も最期の遺書として10万再生された、これもゼータさんのおかげと思う、天国に行ったら泣いて感謝しよう


ツキタ「いや!死んでねえよ!」

サキュバス「お?起きたか、たちんぽうめ♥️」

ツキタ「え?裸エプロンの幼女が朝飯作ってる…」

サキュバス「全然起きんかったから、お主の竿でちょっと遊んでやったぞ♥️」

ツキタ「え?あ、夢か…おやすみなさい」

サキュバス「おい寝るな!」

ツキタ「え?あの、どこの家の子ですか?勝手に家にあがらないでほしいんですけど…」

サキュバス「迷子ではないわ!」

ツキタ「えーと、デリへルの依頼先を間違ったのでは?」

サキュバス「デリへル嬢ではない!akumazonのレンタルサービスで本日お届けに参ったサキュバスじゃ!いや、デリへルと似たようなものか…」

ツキタ「ああ!akumazonの!?え、うそ?ほんとか?」

サキュバス「まだ名前はない、好きに決めてよいぞ?ひん!勝手に体をさわるな!くすぐるな!おい!料理中じゃあっひゃっひゃ、ひー!くしゅぐったいのじゃあ!」

ツキタ「え?サキュバスさんの名前決めていいの?じゃあナガトさ…あ、いやいや、ダメだ、ダメだ、それは人間としてダメだろ」

サキュバス「名前は、イヤーイヤーダメ田ダメ田ニンゲントシテダメ太郎、か?変な名前じゃの…登録っと」

ツキタ「違う違う!カチューシャだ!…カチューシャにしてくれ!」

サキュバス「カチューシャ?んーまあいいぞ、そっちの方がマシじゃな…登録変更っと」

ツキタ「あ、そんな簡単に変更できるんだ…」


今日からなんやかんやで僕のサキュバス性活…

いやサキュバスと人間の同棲生活が始まったのであった…

サキュバス「おい、そのタブレットとやら、さっきからずっと切り忘れとったぞ?」

ツキタ「あーーー!!!うわ…配信したままBANになってんじゃん…ああ俺の夢のミリオン再生がぁ~…」

24歳のツキタがサキュバス幼女に、竿を弄ばれ続ける地獄の動画は、裏サイトの世界中のオーガズムマニアをニヤニヤさせたという、このポルノ女優なんていうの?という質問で溢れ返ると「akumazonってサイトで50万ポイント払えば見れるよ」という自殺幇助とも思える海外コメントで賑わった

そのせいかakumazonのサイトでサキュバスを狙って日本人だけでなく外国人が死亡する事故が多発、人間の欲とは確たる恐ろしいものである…


以降は、「ZEiTAチルドレン死亡リスト」、略してゼタリストという流行語がトレンド入り、それにご冥福をお祈りするリスナーはゼタリスナーと呼ばれ、ゴォーーーーールと叫んでケツから白い煙を吹き出すZEiTAの動画に、ゼタリストたちの面々を雑コラしてケツから出てくる不謹慎極まりないMAD動画が蔓延したり…

またツキタのレンタルしたサキュバスのエッチな声で「ZEiTAの○○気持ちよすぎじゃろ!」という、ZEiTA追悼の音MAD動画もあがり、1000万再生を超えたあたりで伝説的な動画は凍結され、世界は混沌を迎えた…

もはや意味不明である

akumazonの寿命と引き換えに魔法をレンタルして死ぬ事件はやがてZEiTA事件という名前で社会現象となり、ツキタ以外に寿命をすべてライフポイントに突っ込む○○兄弟どもが世間を大きく騒がせたとのことである


ハルコ「ふぁるこぱーんち!」

ヨウタ「うわーん!ままー!ままー!」

ツキタ「ハルコ!殴るのをやめなさい!父さんはそれどころじゃない!」

サキュバス「ヨウタ早くせい!バスに遅れる!ツキタはどうして締め切りに間に合わんのじゃ!アホなのか?」

俺はサキュバスと結婚して二児の父になった、57年分の寿命を支払いサキュバスをレンタルしてから1503日経過している、あと何年寿命が持つだろうか?

12月14日、俺が締め切りで忙しいのは連載漫画「ノストラダムス・ファミリー」の年末年始の執筆で忙しいからだ、助けてくれ!

でも幸せだ、この幸せな日はあと何日持つか、それだけが気がかりだ

つづく

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