第7話 鈴香と春香の喧嘩
「.....少なくとも春香。俺は.....お前を愛していた。.....心からずっと。.....だからかなり裏切られたショックはデカいんだ。.....お前と話す気はない」
「分かる。.....私は最低だと思う.....。だからこそ話をしようと思って」
「いやいやお前。今更何の話だ。.....良い加減にしろ」
「言い訳とかじゃないんだけど.....私は.....その。.....貴方がずっと好きだった」
好きだった、ねぇ。
もう良いよそういうの。
俺は考えながら、やはりお前と話す事は無い、と言いながら俺は郵便箱を見てからそのまま家の中に入ろうとした。
すると、今はただ心から謝ろうと思って。.....だから来た。復縁は求めれない。でもこれは礼儀だと思う。だから私は.....御免なさい、と謝ってくる。
「.....謝って済む問題じゃ無いのは分かるよ。.....でも今はただただ謝りたいから謝ります。.....ごめん.....」
「だからさ。俺はそういうの求めて無いって。浮気の主な理由が知りたいんだけど」
「.....それは.....言えない」
「またそれか。.....良い加減にしろよ本気で。俺はもう話す気はない」
「.....」
春香は悲しげな顔をする。
それから俯いた。
俺はその姿を見ながらそのままスルーして家の中に入る。
バァンとドアを閉めた。
そして悪態を吐く。
訳が知りたいのに何考えているのか.....全く分からない。
とにかく訳が知りたいんだ俺は。
「.....クソッタレが。忌々しい」
俺はそんな言葉を吐き捨てて前を見ると。
そこに環が立っていた。
どうやら.....俺が玄関を閉めた音でやって来た様だ。
春香さん?、と聞いてくる。
「そうだな。もう話す気は無いとドアを閉めた」
「.....そうだね。.....訳も話さないのは良く無いよね」
「ああ。.....お前は顔馴染みだろうけど.....もう俺は顔馴染みとはいかない部類になっている。.....アイツが訳を話すまでは許さない」
「.....浮気とかだからね。.....結構傷付くよね」
「そうだな。.....だから今は話さない」
そんな感じで話ながら俺は玄関から上がり。
そのままリビングに向かう.....時。
怒った様な声が聞こえた。
俺は?!と思いながら慌てて玄関を開ける。
そこには.....鈴香が居た。
そして.....春香が責められる構図になっている。
「.....先輩」
「.....どうした?鈴。何しに.....」
「ちょっと用事があったので来たら.....この人が居たので」
「.....」
春香は落ち込む様な感じで鈴香を見る。
鈴香は、春香先輩。.....私は貴方の行動があり得ないです、と言いながら。
そして、絶望しています、と切り出した。
俺はその姿を見ながら環と顔を見合わせる。
「あり得ないのは分かる。私は.....それだけの事をしたから」
「.....そうですね。.....本当にそれだけの事をしましたよね。.....何で先輩に何も言わないですか。.....それって卑怯ですよ」
「.....」
「貴方は卑怯者です。絶対に許されない事をしています」
「.....そうだね」
今日は.....帰ります、と春香は言った。
そしてそのまま帰宅の準備を始めてから。
そのまま帰宅して行った。
俺はその姿を見ながら.....鈴香を見る。
「私は.....春香先輩を認めません」
「.....そうか」
「.....春香先輩は絶望を産んで.....訳を話さない。悪い事をしたのに、です」
「そうだな.....」
「.....絶対に許せない。.....私はそう思います」
そしてグッと拳を握る。
それから俺を涙目で見てきた。
俺は?を浮かべてその姿を見る。
何でここまで思ってくれているのだろうか。
その訳が全く分からないが。
とにかく有難かった。
すると話題を変える様に鈴香が、先輩、と切り出す。
「.....先輩。.....お菓子作ってきたんで.....食べて下さい」
「.....ああ。.....成程な。それで来たんだな」
「そうです。私.....お料理も得意ですから」
「.....そうだよな」
すると、そこで、と言い出した鈴香。
赤くなってから俺を上目遣いで見上げてくる。
な、何だ、と思いながら見ていると。
私が.....先輩のお昼。お弁当を作ってあげたいんですが、と切り出してくる。
「.....!?.....お、お前.....」
「.....だ、ダメですか.....?」
「ダメっつーか.....何でいきなり!?」
「.....!」
ここで環が何かを察した様にしてニヤッとした。
俺は???を浮かべて、環。何がどうなっている、と聞いたが。
そんなの教える訳無いよ、と断られた。
そして環は、洗濯物入れてくる、と去って行った。
「.....鈴香」
「な、何でしょう。先輩」
「お前.....本当に何でここまでするんだ」
「それは先輩に助けられたから、です」
「.....助けられたって.....たったそれだけで.....」
「それだけ、じゃ無いです。.....私にとってはそれはとても.....」
と言ってから赤くなってそのまま押し黙る。
それから首を振ってから、家に入って良いですか?、と聞いてくる。
俺は、良いけど.....遅くなるなよ?、と言う。
鈴香は、はい、と笑顔になる。
「.....お前さ」
「.....何でしょう?先輩」
「.....いや。すまん。.....何でもない。.....少しだけお節介だな、って思っただけだ」
「そうですね。.....私もお姉ちゃんもお節介です」
それからクスクスと笑った俺と鈴香。
俺はその姿を見ながら少しだけ笑みを浮かべる。
そしてそのままリビングに入る。
そうしてから.....飲み物を出す為に台所に向かった。
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