願いや夢は、ちいさいものから大きなものまであります。
ちいさな願いや夢が、誰かにとっては大きなものであるときもあります。また、それが誰かの大きな願いや夢を叶えるきっかけになることもあります。
このお話は、それらがぎゅっと詰まっています。
登場するのは、幼い獣人。
使命を持ち家族から旅立ち、仲間と出会ってちいさな願いを持ちます。
誰かのために、自分のために、その手段が『小さな小さな物を探す』ことでした。
誰かのために一歩を踏み出すってすてきなこと。
自分のために継続するって大事なこと。
願いや夢にちいさいも大きいも関係ない。
叶えるために始めること、続けること、諦めないことがどんなに大切で、とてつもなく大事なことになるか。それを伝えてくれる、やさしさ詰まったお話です。
物語は絵本のようなかわいらしく、あたたかな映像イメージで私の脳内には再現されました。
読み終わってから心がとてもあたたかく、幸せな気持ちになりました。
イメージのようなカバーがついたハードカバーでこの作品を読みたいなとも、アニメで見てこの世界観を体感したいなとも思いました。
ひとりでも多くの方に味わってほしいと思い、僭越ながらレビューを書いた次第です。
最後に。
この作品は『ゆるプロット』という企画で、偶然にも私が書いたゆるプロットを基に書かれた作品です。
世界で様々な心を痛めるニュースが長く続き、私はこれまであまり好まなかった『日常が続くだけのような話』に癒されるようになっていました。
『日常が続く』ことが、どれだけありがたく、平和がどれだけ尊いものかを改めて実感したのです。
その思いを込め、『ちいさな幸せを探しながら暮らす話』と設定しました。
私の思いなどまったく知らない(とくに企画に向けて設定への思いは公言していないので)星さんが、こんなにもすてきな話を書いて下さったことに感動しています。
星さんに心から感謝を。また、すてきな企画にも感謝をしています。