第2話「本番初日」~衣装係パー子とメイク係アヅマ~
『冒険劇団』
シーン2「本番初日」~衣装係パー子とメイク係アヅマ~
金之助「んでよ!気づいたら巨大なロボットがいてよ~!恐る恐る見張りをしてたエキストラの宇宙傭兵が話しかけて、絶妙なコンビネーションで、ミサイルを傭兵が持ってたビーム銃で打ち落とすやつ!あれめっちゃいいよなぁ!」
カズヒロ「ああ、あれか、あのあと巨大ロボの大きな拳に、小さい拳でいぇーって感じで意気投合する演技は俺も好きだったな、大人になって知ったけど、あれ実はCGだから一人でやってあれは役のは入り込みがすごいと思うよ、あとエキストラじゃなくてニコラスJrだよあれ」
金之助「え?あの有名俳優の息子!?やべぇー!自然すぎて気付かなかったわ!?」
アヅマ「なんだか仲よさそうでほっこりします、生き別れた兄弟?ですかねあれ」
パー子「あれは映画バカで単純にアホなだけじゃ、金之助は特に脳みそにはマーベラスコミックしか入っとらんわい、しかもカズヒロは名詞にあれあれあれを使いすぎじゃ、頭良さそうなルックスのわりにアホなんじゃ、異世界アニメの実写化なのに、SFの話とか舐めておるのか?気が弛んどる証拠じゃ」
アヅマ「…すごい、パー子ちゃん一目見ただけで、すごい洞察力だね、それとも二人の仲が気になるの?」
パー子「んなわけあるか!わしはその…お前しか見とらんわい…」
アヅマ「それって、わたし、そわそわしてるから、みんなに見られちゃうんだね、変な目で、あの、また今度の美術担当で変なミスしちゃったら、ごめんなさい…」
パー子「違う!そうはいっておらん!そのわしはお前のことが…す、す」
アヅマ「す?好きじゃない?ううう…」
パー子「違うんじゃ!大好きじゃあ!大好きなんじゃあアヅマァ!泣かんでくれ~!」
金之助「あれって生き別れた姉妹?」
カズヒロ「さあ?あれだよ、IQが低いだけのあれ」
金之助「お前ってけっこう、あれって主語多いのな?テレビで見たことあるわー、そういう頭悪そうなおっさん」
カズヒロ「あ?お前それ喧嘩売ってるだろ?」
金之助「は?売ってねえよ、そんなもん売れたら今ごろ貧乏生活してねえだろうよ」
カズヒロ「どういう意味?」
金之助「知らねえよカスカズヒロ」
カズヒロ「今、俺のことカスヒロっていったか、おい?」
金之助「はぁ~?言ってねえがぁ!カスカズヒロだがぁ?ヒガモウ野郎かてめえ!」
カズヒロ「んだこら?やんのか?」
金之助「は?ぶっ◼️◼️すぞ?」
ナガト「どうしたの二人とも?」
カーチャ「これが日本のチンピラでしょうか?」
アヅマ「そうじゃないよ、どっちかって言うと痴話喧嘩?かな」
パー子「そうじゃ、これが日本の愛情表現じゃ」
カーチャ「Wow…喧嘩するほど仲が良いとは聞きますが、そこまで激しいのですか?」
ナガト「アヅマちゃんもパー子ちゃんも、なんとなく意味はわかるけど、偏った知見を広めないでね…」
カズヒロ「脅迫か殺人か…あれで即刻通報だバカヤロー!」
金之助「はあ?ダンカンかこのやろー?」
岸田「はい終了、今後の演技でも主に殴りあってくれると助かるが、お前らはバカだし不合格だ、あとそれならカズヒロは『刑法第222条の脅迫罪、恐喝罪にあたりまーす』で即刻通報でいいし、金之助は『暴行傷害による殺人は起きてませんから刑法199条は適用されませーん』で相手の語彙力のなさを論破できただろ?、君らはもう役者なんだから、アドリブの演技をするとき、啖呵切れるくらいのボキャブラリーは溜めようね?」
カーチャ「岸田さん、すごい弁の立つ方ですね、さすがカンヌ国際映画祭で、主役と監督を離れ業でやってのけたことはあります」
ナガト「うん、岸田さんはビートたけしの再来と言われてたから、わりと『ダンカンかこのやろー!』のくだりはボキャブラリーとして合ってたのかもね」
カーチャ「あの、すみません、ダンカンカコノヤロウとは日本で有名な俳優さんなのですか?」
ナガト「ごめん、私もなに言ってるかわかんなくなっきちゃったかも?」
岸田「はい、さて、親睦もそろそろ深まったようだから、撮影行きましょうかツキタ監督」
ツキタ「はい!今日という貴重な一日を使わせていただきありがとうございます、それではみなさんよろしくお願いいたします!」
岸田「ツキタくん固い固い、あと僕の一日はギャラ無しだからね、だいぶ安売りしてるから、みんなも道端の石ころと思って、気にしないで演技してね」
ツキタ「はい!道端の石ころだと思って大切に拾わせていただだきます!」
岸田「え、なに?ツキタくん喧嘩売ってる?」
ツキタ「と!とんでもない!?」
岸田「じゃあ、肩も温まったところで今日一日がんばろうか!」
金之助「肩をあっためる…って野球の試合かよ!」
カズヒロ「え?草野球の監督が間違って来てらっしゃる?」
岸田「そうそれそれ👍」
カーチャ&ナガト「ははははは!」
ツキタ「それではみなさん今日一日よろしくお願いいたします!」
撮影陣・出演者「おー!」
つづく
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